DVD-RW (DVD-ReWritable)
【ディー・ブイ・ディー・アール・ダブリュー】
相変化記録方式による書き換え型DVD規格の一種。パイオニアによって開発され、DVD規格の技術規格策定機関であるDVDフォーラムで2000年に「DVD-RW」として認定された。容量は片面4.7Gbytesである。
DVD-RWの特徴は、追記型のDVD-R(DVD-Recordable)と同様、記録済みディスクがDVDビデオ・プレーヤーやDVD-ROMドライブで容易に再生できること。そのため、DVDビデオやDVD-ROMタイトルを作成する場合の検証用としても用いることが可能である。ただし、書き換え可能回数は1000回程度と、DVD-RAMの10万回程度と比較すると少ない。DVD-RWは、主に映像や音声のデータ(AVデータ)を録画・録音する用途が想定されており、ほとんどの書き込みが連続データならば書き換え可能回数は1000回程度で十分とメーカーは判断したようだ。これに対しDVD-RAMの用途には、AVデータの録画・録音以外にコンピュータ用ストレージ機器も想定されており、ランダム・アクセスに耐えられる書き換え可能な回数を確保する必要があったため、10万回程度の書き換えが可能になっている。
DVD-RWは、データの書き込み方式として、CD-RWやDVD-RAMと同じ相変化記録方式を採用している。相変化記録方式では、記録膜に与えるエネルギー(温度)の違いにより、記録膜を結晶状態とアモルファス状態とに変化させ、その反射率が変わることを利用して記録を行う。
ディスク形状や4.7Gbytes/面の記録容量、CLVによる記録方式、0.267μm/bitの記録ビット長、0.74μmのトラック幅、変調方式、誤り訂正符号など、いずれもDVD-ROM規格と同じ仕様である。また、再生時のトラッキング方式もDVD-ROMと同じ位相差トラッキング方式を採用している。記録フォーマットは、CLVタイプのグルーブ記録であり、プリフォーマットはDVD-Rと同じウォブル・ランド・プリピット方式である。このように、ほとんどの仕様がDVD-ROM規格と同じことから、DVD-RWで記録したディスクを再生専用のDVD-ROMドライブで読み出すことが可能である。ただし、記録後の反射率はDVD-ROMの2層タイプに合わせてあるため、DVD-ROMドライブによっては「1層タイプは高反射率」、「2層タイプは低反射率」といったように判断し、「1層タイプの低反射率」であるDVD-RWディスクからデータを読み出せない場合もある(DVDの規格上は、ディスクの層数と反射率は別の変数として扱うように規定している)。この点は、DVD+RWも同様の仕様となっており、同じ問題が発生する可能性がある。
パイオニアとシャープは、すでにDVD-RWに対応した民生機器のデジタル・ビデオ・レコーダーを販売している。2000年5月には、従来からのDVD-RW推進メンバーに、DVD+RWを推進しているソニーを加えて、「RWプロダクツ プロモーション イニシアティブ」(英文名:RW Products Promotion Initiative、略称RWPPI)」を発足し、DVD-RW関連商品の普及・促進を開始した。RWPPIでは、「DVD+RWなど今後の記録型商品との記録・再生互換の検討を行う」としている。
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参考リンク
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■RW Products Promotion Initiative(RWPPI)のホームページ
DVD-R/RW関連製品の普及・促進を目指す活動団体
■DVDフォーラムのホームページ(英語)
■Optical Storage Technology Association(OSTA)のホームページ(英語)
書き込み可能な光ディスクの論理フォーマットなど各種規格を策定している団体