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MCA (Micro Channel Architecture)

【エム・シー・エー】

別名
マイクロチャネル・アーキテクチャ

最終更新日: 2001/05/31

 IBM PC/ATに搭載されたATバス(後にISAバスととしてIEEEが標準化した)の後継として、米IBMが1987年に開発した32bitの拡張バス仕様。IBMのPS/2 Model 50以上のシステムで最初に採用された。

 ISAバスに比較して、MCAではデータバス幅を16bitから32bitに、アドレスバス幅を24bitから32bitに、バスクロックは8.33MHzから10MHzにそれぞれ拡張し、さらにアドレスバスとデータバスを同時に使用した64bit幅のデータ転送機能、バスクロックの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの双方でデータ転送を可能にする機能などを追加し、最大データ転送速度を40Mbytes/sec〜160Mbytes/secにまで向上させた(ISAでは8Mbytes/sec)。

 また速度だけでなく、機能的にも、インテリジェントなバスアービトレーションやレベルセンス割り込み(信号のオフからオンへの遷移時だけでなく、信号のレベルによって割り込み処理の起動を行う方式。複数のデバイス間で1つの割り込みを共有できる)、高機能なバスマスタ機能、システムリソースの自動設定、複数のインテリジェントなサブシステムを効率的に運用するSCB(Subsystem Control Block)アーキテクチャなどが追加された。

 一時期、IBMは、同社製パーソナルコンピュータの拡張バス仕様を全面的にMCAに移行させようとしたが、MCAがまったく独自の仕様で、広く普及したISAバスと互換性がなかったこと、他社に対するMCAのライセンスが有料化されたことなどから、互換機ベンダがMCAとは別に、ISAと上位互換性がありるEISAバスシステムを開発したため、MCAは広く普及するには至らなかった。

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