マイクロソフトが
ナレッジマネジメントサーバ“Tahoe”の概要を発表
2000/10/19
最近のニュースリリース等でたびたび登場していたマイクロソフトのサーバ製品「Tahoe(“タホ”)」の概要が、同社が開催した報道者向け製品発表会で明らかになった(「Tahoe」は開発コード名。米カリフォルニア州にある湖の名前からきている)。
Tahoeは、グループウェアやコラボレーションソフトウェアと呼ばれる分野の製品である。同製品を用いると、日常の作業において蓄積される文書やデータを管理し、必要に応じて自在に検索が可能となる。近年、ナレッジマネジメント(Knowledge Management)という言葉が注目を集めているが、Tahoeを利用することで、比較的容易にナレッジマネジメント環境が実現可能になる。
Tahoeが提供するデジタルダッシュボード機能をクライアントのWebブラウザで表示させたところ。画面上では、各種パーツ(メーラや文書ファイルなど)を組み合わせて、自在にカスタマイズすることが可能 (クリックすると拡大します) |
Tahoeでは、おもに次の機能が提供される。
- ポータル機能
.NET戦略の中で発表された「デジタルダッシュボード」で構成される、一種のデスクトップといえる情報掲示板上に、個々人の作業に必要な情報(メーラ、Webページ、データベースの情報、特定の文書など)を組み合わせ、自在にカスタマイズして表示することが可能。
- 検索機能
ファイルサーバやWebサーバはもちろんのこと、Exchange ServerやLotus Domino Server上の情報すべてに対して全文検索が可能。対応するファイル形式も、テキスト、HTML、Microsoft Office 95以降の文書ファイル(DOC、XLS、PPT等)のほか、別途ダウンロードで提供されるプラグイン(「Ifilter」という名称)を利用することで、一太郎の文書ファイルやPDF文書に対しても検索が可能となる。
- 文書管理
ファイルフォーマットに関係なく、ファイルのバージョン管理を可能にする。また、文書公開のための承認ルーティング機能ももつ。
こういった文書マネジメント機能を提供する製品として、Lotus Dominoなどがすでに1つの市場を形成している。その中で後発にあたるTahoeの大きな特徴といえるのが、導入のしやすさだろう。
すでに複数のファイルサーバやデータベース、Lotus Dominoなどにデータが散在しているユーザーの場合、Tahoeを新たに導入することで、一元的な文書管理・検索が可能となる。ゲリラ的にシステムが拡張されることの多いPCネットワークの世界では、Tahoeのような容易に管理機能を実装できるソリューションは、実用度が高いといえる。Tahoeは、管理、検索といった部分のみを提供する単機能のサーバ製品であり、Exchange Serverに直接機能を取り込まなかったところからも、同社がこういった用途を狙っていることは十分に考えられる。また、具体的な数値は提示されていないが、価格設定も低めに抑える予定だという。
同社では、「すでにある市場でシェアを競うより、新たに市場のパイを広げたい」と、新規ユーザー開拓を目標にしており、導入のしやすさを軸に、ナレッジマネジメント分野自体が盛り上がることも期待している。
動作環境は、サーバ側がWindows 2000 Server、クライアント側がWindows 9x/NT4(SP4以降)/2000に対応する。製品の発売予定は2001年春で、現時点で正式名称および価格は未定となっている。また、10月 20日よりTahoeの製品紹介ページにてベータ2版のダウンロードサービスが開始される。
[関連リンク]
マイクロソフト発表のプレスリリース
“Tahoe”の製品紹介ページ
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