企業間のコラボレーションを視野に入れるロータス

2000/10/25

「社外とのコラボレーションやナレッジマネジメントが、eビジネスでの新しい課題」(安田社長)

 ロータスは10月24日から25日の2日間、都内で開発者向けのカンファレンス「Lotus Developer Conference 2000」を開催している。24日、カンファレンス開始の挨拶に立った代表取締役社長の安田誠氏は、「いままで社内のグループウェアで行われていた、コラボレーションやナレッジマネジメントを、社外の顧客とのあいだで行うことで、よりビジネスの競争力を高めることができないか。これがビジネスの新しい課題となっている」と、BtoBなどのeビジネス分野における、ノーツ/ドミノの重要性を訴えた。

 米Lotus DevelopmentのVice President、クレイグ・W・スメルサー(Craig W. Smelser)氏のキーノートスピーチでは、メール、ディスカッション、カレンダ&スケジューラなど、ノーツクライアントとほぼ同等の機能がWebブラウザから利用できる「iNotes Web Access」ベータ版の公開開始が明らかにされた。

 iNotes Web Accessは、コードネーム「Shimmer」と呼ばれていた、いわば「Webブラウザから利用する軽量版ノーツクライアント」だ。「DHTMLとXMLを活用して、さわり心地のなめらかなユーザーインターフェイスを実現した」(マーケティング本部 製品統括部 製品企画 次長 斉藤広一氏)。iNotes Web Accessをドミノサーバに組み込むことで、Webブラウザから利用可能になる。

コラボレーションのインフラにはスタンダードベースが不可欠だと、スメルサー氏

 iNotes Web AccessはWebブラウザで利用するため、ノーツクライアントが備えるレプリケーション機能はない。これを補うのが、すでに発表済みの「Domino Off-line Services」(DOLS)だ。DOLSは手元のPCで動作し、サーバのデータベースを手元に複製して小型のドミノサーバのように振る舞う機能を持つ。DOLSと、iNotes Web Accessは、それぞれ単独でも利用可能な製品だが、この2つの組み合わせは、ノーツクライアントに準じる新しいクライアント環境を提供することになる。

 スメルサー氏はキーノートスピーチの中で、「コラボレーションの向上が生産性の向上を産み、それが企業の成長へとつながる」ことを強調した。「成長を助けるためのロータスの戦略には、3つの柱がある。メッセージ&コラボレーション、ナレッジマネジメント、そしてeラーニングだ」(スメルサー氏) 。

 その2番目の柱であるナレッジマネジメント分野では、ナレッジマネジメント専用製品「Raven」の登場が期待されているが、もうすぐ最初の製品「K-Station」が登場する見通しだという。K-Stationは、ナレッジに関する情報をWebブラウザにまとめて表示する「ナレッジポータル」機能を実現するもの。今後、過去のディスカッションなどをもとに、ある知識をもっていると思われる人を捜し出す「ディスカバリーエンジン」なども順次投入される見通しだ。マーケティング本部 製品統括部 KM推進 次長 森島秀明氏は「K-Stationは、米国で2000年中の出荷、日本では2001年早々の予定」とした。

iNotes Web Accessの画面。Webブラウザのツールバーを隠すと、ノーツクライアントの画面とすぐに見分けがつかないほど

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