低コストでWebサイトを運用・管理する新サービスとは?
2000/11/8
Webサイトは重要なマーケティングツールだと認知されつつある、だが、その維持のためにかかるコストは意外とばかにならないものである。立ち上げたばかりのネットベンチャーにとって、資金の捻出と人材の確保は頭の痛い問題だろう。そんな彼らにとって朗報となるのが「MSP」という新しいサービスだ。
■MSP(Managed Service Provider)とは?
ベンチャー企業のインキュベーション/マーケティング支援/システム構築を手がけるサンブリッジは、「サンブリッジ・ネットハビタット」というMSP(Managed Servide Provider)のサービスを発表した。MSPとは、その名のとおり「Webサイトの運用管理を代行するサービス業者」である。日本では、ISP(Internet Service Provider)やASP(Application Service Provider)などに比べあまりメジャーな用語ではないが、Loudcloudといった企業をはじめ米国ではすでにWebサイトシステムのアウトソーシングの一環として1つの市場を築きつつあるのだ。
サンブリッジ取締役社長のアレン・マイナー氏によれば、Webシステム構築を要素ごとに分けて考えた場合、ソフトウェアにあたるシステム開発を行うSIPS(Strategic Internet/Innovation Professional Service:単にシステム構築のみならずビジネス戦略込みでシステムを開発するサービス業者)、ハードウェアにあたるホスティングサービスを提供するiDC(internet DataCenter)といったインフラ部分を提供する企業はあるものの、これらを維持していくためのシステム運用管理にあたる業務を提供する企業が不足しているのだという。
SIPSにシステムを発注し、iDCにWebサイトのホスティングを委託したとしても、普段の維持管理は自社で行わなければならず、完全なアウトソーシングにはならない。もちろん、ネットワークやハードウェアの足回りといった下位レイヤの管理はiDC側で面倒を見てくれる場合があるが、戦略的なシステム構築にはデータベースや各種アプリケーションが必須なため、これら上位レイヤの管理まで委託するのは難しい。MSPでは、これらの管理業務をひっくるめて請け負ってくれるのだ。MSPに委託することのメリットは大きく2つ、Webサイト維持のための技術をもたない企業にとってプロに任せる安心感、管理業務をまとめて請け負うことで低コストでサービスを受けられることだ。
■ベンチャー支援に焦点
インターネット時代に、Webサイトはなくてはならない重要なマーケティングツールである。だが、本来は本業でないWebサイト維持にコストをかけるのは、スタートアップしたばかりの企業にとってかなりの負担でもある。今回発表された「サンブリッジ・ネットハビタット」は、これらベンチャー企業やこれからドット・コム・ビジネスを展開しようとしている既存企業をメインターゲットとしている。
今回の発表にあたり同社は、ユーユーネット・ジャパン(iDC/回線提供)、日本オラクル(データベース提供)、デルコンピュータ(PCサーバ提供)、ミラクル・リナックス(Linuxシステム提供)、レッドハット(Linuxコンサルティング)、ホライズン・デジタル・エンタープライズ(Linux上の運用管理ツール提供)の各社と提携を行い、11月中旬よりサービス提供を開始する。
同社では、「他にもMSPのような管理運用サービスを提供する会社はあるが、開発から含め、下位レイヤから上位レイヤまですべての管理運用サービスをワンストップで提供できるのが当社のメリット。また、最初は小さな規模で始めて、会社の成長に合わせてスケーラブルにシステムをアップグレードさせていくように設計することも可能だ」とする。
Webサーバ運用サービスの内容は、1サイトにつきPCサーバ2台の組み合わせを標準構成(10Mbpsのネットワークを7サイトでシェア)とし、初期費用が30万円〜、月額費用が70万円〜となる。同社では、同等のシステムをすべて自社で構築・維持していくのに比べ、1/4以上のコスト削減になると試算している。
契約期間は3カ月以上を目安とする。今後、ECサイト向けの決済システム、コンサルテーションや、標準構成にSolarisシステムを追加するなど、さまざまなオプションメニューを提供していく予定だ。
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