ICANN、「.biz」など7つのドメインを承認

2000/11/18

 インターネットのドメイン名や番号を決める非営利の国際団体ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は、11月16日、新たに加える7つのドメイン名の投票を行った。その結果、「.aero」「.biz」「.coop」「.info」「.museum」「.name」「.pro」が選ばれた。

 インターネットアドレスは階層(レベル)構造をしており、TLD(トップ・レベル・ドメイン)には、これまでの「.com」「.org」「.net」のほかに「.jp」「.uk」など国別のレベルがある。「.com」などは“gTLD(または一般TLD)”と称され、これを管理する目的で1998年に設立されたのがICANNだ。ICANN設立以前は、米政府の委託を受け、Network Solutions(VeriSignが2000年3月に買収)が行ってきた。各レベルの割り当てや登録管理は民間のNIC(ネットワーク・インフォメーション・センター)が担当する。例えば日本の国別ドメイン「.jp」を管理するのはJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)である。ドメイン名のデータベースは、Network Solutionsが管理している。

 今回のgTLDの追加は、急増するユーザーに対してパンク状態にあったドメイン不足問題を解消するもの。ユーザーの中には、分かりやすく簡潔なアドレスや幅広い選択肢を望む声が根強くあり、現行の限られたドメイン数では希望どおりのドメイン名の取得が困難だった。同組織では今年7月に横浜で開催された会議などで対応策を練ってきた。

 ICANNは、追加ドメイン名称決定を最終目標に11月13日から3日間、カリフォルニア州、マリーナ・デル・レイで会合を開き議論していた。商標や既存ドメインを用いたアドレスとの混同が予測される団体や企業から反対意見が出るなど、選定は難航したが、最終的には各団体の提案した47の候補からボードメンバー19人の投票により決定した。新ドメイン名は3つのカテゴリに大別される。

  • 一般利用目的;「.biz」「.info」
  • 個人利用目的;「.name」
  • コミュニティ利用に限定;「.aero」(航空業界)、「.coop」(協同組合)、「.museum」(博物館、美術館)、「.pro」(弁護士、医師など)

 また、会議では、これらのドメインを管理するデータベース運営業者は、独占状態にあったNetwork Solutionsに加え他社も参入することも決定した(Network Solutions 1ドメイン登録につき6ドルを徴収している)。また、「.info」はNetwork Solutionsを含むコンソシアム(Afilias)が提唱した名称で、これに関してはNetwork Solutionsが管理する。 新ドメインは米商務省の承認を受けた後、登録開始となる。

 ドメイン名は今後も増えることはあっても減ることはない。gTLDは頃を見て再び追加される可能性はあるが、混乱を招くだけなのでは、と後ろ向きの声もすでにあがっているようだ。各企業や団体からのさまざまな思惑を含んだ意見を取り仕切らねばならないICANNの権限は、今後大きくなることが予想される。公正な運営体制も含めて、今回の決定会議でまた1つ課題が増えたといえるだろう。

(編集局 末岡洋子)

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