帰ってくる「Visual Cafe」
ウェブゲイン ジャパンが年内にも企業向け製品を出荷

2000/12/14

 米WebGain, Inc(本社:米国カリフォルニア、CEO:Joe Menard氏)は12月13日、日本法人「ウェブゲイン ジャパン株式会社」を10月18日に設立し12月8日より営業を開始したことを発表すると同時に、今後の国内でのJava開発ツール「Visual Cafe」を中心とする製品スケジュールを明らかにした。

 米WebGainは、米BEA Systemsおよびベンチャーキャピタル米Warburg Pincus Venturesにより、2000年1月に設立された未公開のベンチャー企業である。起業と同時に米SymantecよりJava統合開発環境ツール「Visual Cafe」を買収した後、Java UMLツールやデータベース・マッピングツールなど、サーバサイドJavaソリューションに関連する製品を次々と買収してきたが、この動機について同社バイス・プレジデントIvan Ruzic氏は、「起業の理由はブランドのあるJava開発ツールが必要と感じたからだ。JavaはWebのスピードで進んでいる。1から用意するよりも良い製品を買収して追加していくのが賢明」と話した。

 日本法人ウェブゲイン ジャパンの代表取締役に就任した湯本敏久氏は、日本BEAシステムズでWebLogicのマーケティングを積極的に展開し、後にマーケティング本部長を務めた人物。また、営業部長の山田和幸氏はシマンテックで営業部長を務めた。

 同社は今後、シマンテック時代のVisual Cafeがターゲットの一部としていたデスクトップ市場にはあまり目を向けず、「アプリケーションサーバ市場において今後ますます注目を浴びるEJBによるビジネスロジック構築を強力にサポートするツール」(湯本敏久 代表取締役)として同社の製品を位置付けるという。ウェブゲインから新生した最新バージョンVisual Cafe 4については、見た目に大きな変更点はないが、iPlanetやWebLogicといったアプリケーションサーバに正式に対応したことのほかに、製品のクオリティを大幅に向上させているという。今後は、IBMのWebSphereにも対応するといい「大きな市場シェアを握るアプリケーションサーバについては積極的にサポートしていく予定」(Ivan Ruzic氏)だという。

 Java開発ツールVisual Cafeの周辺には、UMLを使ったビジネスロジック構築をサポートする「WebGain Structure Builder」、RDBMSとのマッピングを容易に実現する「WebGain TOPLink」を置き、さらにはWebアプリケーションのデザイン構築を支援するためのJSPとMacromediaのDreamweaverとを連携させるエクステンションを用意した。それぞれ単体でも販売するが、これらを統合したスイート製品として「WebGain Studio」も用意される。Webデザインからサーバサイドのビジネスロジック構築、データベースとの連携までをすべてサポートするBrowser to Databaseのソリューションで、エンタープライズユーザーをターゲットにビジネスを展開する。

 今後出荷予定のVisual Cafeの製品ラインナップは、エンタープライズユーザー向けの「Visual Cafe 4 Enterprise Edition」、以前のVisual CafeのDatabase Editionに相当する「Visual Cafe 4 Expert Edition」、Javaの学習やトレーニングを目的とした「Visual Cafe 4 Standard Edtion」となっている。Visual Cafe 4 Enterprise Editionはおよそ50万円前後の価格で2000年12月中の出荷が予定されているが、その他については来年1月の予定だという。また、Visual CafeにWebGain Structre BuilderやWebGain TOPLinkなどを統合したWebGain Studioについては、80万円後半の価格で2000年12月中に出荷されるという。Visual Cafe以外のすべての製品の単体での販売については2001年中の予定だ。

 なお、2001年度の販売目標はパッケージとライセンスプログラムを含めておよそ1万5千ライセンスを予定しているという。また、前バージョンの6万ライセンス近いVisual Cafeユーザーに対しては、アップグレードサービスを実施されることになっている。

[関連リンク]
ウェブゲイン ジャパン
米WebGain, Inc

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WebGainで復活するVisual Cafe 4 (@IT)

 

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