Turbolinux、提携戦略でリードを図る
2001/1/12
LinuxのディストリビューターであるTurbolinuxが活発だ。先日、カーネル2.4が登場(2001年1月6日付け記事「2.4がついに発表、Linuxの新カーネル」参照)したばかりだが、2001年早々からLinuxは引き続き注目を集めている。そんな中にあって、Linuxを普及させるという共通のミッションを背負うディストリビューターの間では、競争に拍車がかかることが予想される。同社はRed Hatなどほかのディストリビューターに対し、一足早く攻勢をとった模様だ。
米Turbolinuxは1月10日、“緊急リリース”として、米IBMと、米IBMのLinux製品の販売契約を結んだことを発表した。今後、すでに統合されていたDB2 Universal DatabaseをはじめとしたIBM製品を取り扱うことになる。リリースでは、DB2、WebSphere製品群をはじめLotus Domino、Tivoli FrameworkなどのIBM子会社の製品名も上がっている。今年中旬には取り扱いを開始する予定だ。販売のほかにも、マーケティングなども共同で行う。
この契約はグローバルなもので、日本でもターボリナックス ジャパンと日本IBMとがこれから具体的な作業に入る。ターボリナックス ジャパン側では、具体的に取り扱い製品や価格が設定されるのは2月頃を予定しているという。IBMは以前より、Linuxへのサポートを表明してきた(2000年9月5日付け記事「IBM、アジア太平洋地域でLinuxに2億ドルを投資」参照)が、今回の提携により、コミットの姿勢をさらに強調した。
また、同社の日本子会社ターボリナックス ジャパンは、グループウェア市場に本格的に進出する足がかりをつくった。1月11日、同社は「iOffice」で知られるネオジャパンとの提携を発表、開発、マーケティング、販売活動を通し、共同でシェア拡大を図る。
今回の提携により、「iOffice」と「Turbolinux Server」「Turbolinux Cluster Server」を用いてOracleデータベースに対応する大規模システムのグループウェア・ソリューションを開発する。NEC、IBMやコンパックなどハイエンド製品へ対応させて行く予定だ。
同社の最近の提携の動きを紹介する。
発表日 (全て2000年) |
発表内容 |
12月22日 | サイボウズと「サイボウズ Office 4」の販売・マーケティングで提携 |
12月19日 | ハミングバード・ジャパンと業務提携、Linux版高速日本語全文検索システム販売開始 |
12月14日 | コンパック、オラクルと戦略的パートナーシップ |
12月7日 | 米Loki Software社のLinux版ゲームソフトにTurboLinux OSを無償バンドル |
12月6日 | サンのJava開発環境のバンドル提供開始 |
10月31日 | コンピュータ・アソシエイツと協業 |
10月27日 | NECと大規模クラスタシステムの実証試験に関する技術協力 |
10月24日 | サイバーキャッシュとEC分野での提携を発表 |
10月19日 | シノックスとeビジネス用メッセージングアプリで業務提携 |
10月5日 | アドックインターナショナルとネットワーク監視システムで業務提携 |
(編集局 末岡洋子)
[関連リンク]
ターボリナックス
ジャパン
Turbolinux
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