ネットイヤー、eCRM製品の提供を開始
2001/3/1
ネットイヤーグループは2月27日、米ブルーマティーニソフトウェア社が開発した統合型 eCRM アプリケーションスイートの日本版開発、および国内における総販売代理店として業務提携の合意に達したと発表した。
左からネットイヤーグループの石黒氏、小池氏(ネットイヤーグループ 代表取締役 CEO)、モンティ・ズエーベン氏 |
ブルーマティーニ製品群は、従来のCRM構築では、「顧客接点は増えたが、相変わらず顧客の顔が見えない」という要望に対し、「Understand(顧客を知ること)」「Target(顧客をパーソナライズすること)」「Interact(顧客と対話すること)」を、複数のタッチポイント(Webサイト、コールセンター、携帯デバイス、電子メール、オンライン・マーケット・プレイスなど)において可能とする製品。
また、従来のERP、SCM、CRMがコストダウンを念頭においた戦略上の商品であるのに対し、販売・マーケティング活動を支援し、売り上げ拡大を狙う「セルサイド・ソリューション」として位置付けているという。製品は、4つのアプリケーション(マーケティング、コマース、サービス、チャネル)と、24におよぶサブモジュールで構成されている。
導入は、4種類(BtoC/BtoB/金融/消費財)のテンプレートを活用して行える。100% Pure Java/J2EEに対応し、外部とのインテグレーションツールもあらかじめバンドルされているため、他のアプリケーションとの統合も可能だ。
「日本市場へ参入できて嬉しい」と語る、ブルーマティーニ社 CEO モンティ・ズエーベン氏 |
「ブルーマティーニは、部分的に導入されたERPやCRMのツール同士が対話できるようにする一方で、複数の販売チャネルを持つ企業に対しては、セキュリティ、パーソナライズを施した統合販売チャネルを提供する。個々のアプリケーションのメンテナンス・コストを考えれば、合理的な選択となるはずだ」とブルーマティーニ社のCEO モンティ・ズエーベン氏。
また、同氏はブルーマティーニ製品の誕生秘話について「会社を立ち上げた当初は、一切製品仕様などは考えず、8カ月間ひたすら顧客が望むものをヒアリングしてまわった。その次に柔軟性と拡張性に富むプラット・フォームを100% Pure Javaで作り上げた」と打ち明けた。
ネットイヤーグループの代表取締役兼CEOを務める石黒氏は、今回の業務提携により、実質的にSIPS部隊とともにeCRM事業部も率いていくことになる。「ブルーマティーニの製品にはかねてから注目していたが、中でもモバイル・ワイヤレス機能がパッケージ化されている点などは、日本がこれから迎えるであろうモバイル・コマースにおいても活躍してくれるはず。すでに大型の引き合いもあり、実際に導入されるのは、早ければ7月頃」と石黒氏。
ネットイヤーグループでは、今回「eCRM事業部」を新設し、SIPSとならぶ今後の事業基盤とすべく、30名体制で取り組んでいくという(同社広報担当 小堀氏談)。日本語版の開発はすでに昨年より進められており、4月頃からほぼ全てのモジュールの日本語版の投入を開始する予定。
同事業部長の高橋氏は、「2001年12月末までに10セット程度の受注と、10億円規模の売り上げを達成したい」と目標を語った。最低限必要なモジュールを備えたパッケージ製品の単価は5000万円から。
発表会場には、1999年9月よりブルーマティーニ社と戦略的パートナーシップを結んでいるアクセンチュアのカスタマー・リレーションシップ・マネジメント・グループ統括パートナーの樋田(とよだ)氏も同席し、「システム・インテグレーターとして、両社の業務提携は喜ばしいこと」とコメント。発表会後の個別インタビューにおいては、「eビジネス構築においては、だんだんと(コンサルティング企業とSIPS企業、SI事業者などの)住み分けが進んでいる。今後、ネットイヤーグループのようなSIPS企業との提携もありえない話ではない」とも語った。
(編集局 荒木直子)
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ブルーマティーニ製品について
ネットイヤーグループ
ブルーマティーニソフトウェア社
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