Linux-Winウイルスの誕生は悪い兆候
2001/4/4
(04/02/01, 12:03 p.m. ET) By Mitch Wagner, InternetWeek
先週、WindowsとLinuxの両OSに感染するウイルスが出現した。幸い、目立った被害はなかったものの、セキュリティ分野に詳しい専門家によれば、「今後、同様のウイルスが増える可能性を示唆した事件だ」という。
ウイルスは名称が「W32.Winux」といい、3月27日に発覚した。作成者自身が電子メールに添付して、アンチウイルスベンダー、Central Command社に送付したと思われている。「W32.Winux」そのものは無害で原始的なものだ。自ら拡散する機能を備えていないし、コンピュータにダメージを与えるような“爆弾”を投じることもない。ファイルを開くと自動的に実行するものでもない。
だが、手動で実行した場合、ウイルスはあらゆる実行可能なファイルとフォルダに感染する。そして感染したファイルもウイルスファイルとなる。
「誰かが両OSに感染可能なウイルスを作成した。しかも2つのOSは構造的に全く異なるものであるにもかかわらず――これは恐ろしいことだ」とDavid Pensak氏はいう。Pensak氏は、製薬大手のE.I. Dupont de Nemoursで先進技術関連担当CTOを務めている。
「われわれはこれまで、Linuxは安全だと信じてきた。みんなが試して作成したOSであるという理由だけでね」とPensak氏は続ける。「Windowsの場合、Windowsの上でくしゃみをするだけで感染してしまうと用心していたが」
Linuxは、Windowsほど広く使用されていなかったこともあり、ウイルスに抵抗力があった。Linuxのユーザーは、Windowsユーザーと比較して技術に関しての知識があり、セキュリティに対しての意識も高いといわれている。その定説すら、ずさんなWindowsユーザーがウイルスをばら撒く事体が増えるにつれ、変わる可能性がある。
Sucurityfocus.comで事件アナリストをしているRyan Russell氏も口を揃える。「重要なことは、両方のOSを攻撃するウイルスが誕生したという事実だ。今後より大規模で悪質なワームが誕生することが可能になったのだ」
IT管理者はみな同じ船に乗った状態だ。「今回の一件からの教訓は、熱烈なLinux支持者は“Linuxは防ウイルス仕様”と主張すべきでなくなったということ。この主張は悪意をもった人を興奮させるだけだ」とセキュリティのベンダーTruSecureで、危険性の高いコードを研究しているRoger Thompson氏は述べている。
[英文記事]
Linux-Windows
Virus A Sign Of Things To Come
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