HPが初のappサーバを発表、Webサービス市場へ本格進出
2001/6/29
日本ヒューレット・パッカードは6月28日、J2EE、XMLに対応したアプリケーション・サーバを含むミドルウェア製品群「hp bluestone」を発表した。7月1日より販売を開始する。
同製品は米ヒューレット・パッカードが2000年11月に買収を発表した(「HP、アプリサーバ市場で勝負へ 」参照)アプリケーション・サーバのベンダ、米Bluestoneの製品をベースとしており、同社のミドルウェア戦略「netaction」の中核となる製品(「Netactionの詳細を発表、「開発者コミュニティ形成に取り組む」」参照)。今回発表したのは、アプリケーション・サーバ「hp bluestone Total-e-Server 7.3」とJTS(Java Transaction Service)準拠の「hp bluestone Total-e-Transaction 2.1」の2製品。
「hp bluestone Total-e-Server 7.3」はJ2EEに準拠し、XMLサーバ、ULF(Universal Lister Framework)などの機能も備えるアプリケーション・サーバ。「hp bluestone Total-e-Transaction 2.1」は、JTSに準拠し、完全にJavaで記述されたJ2EE対応の分散型トランザクションマネージャ。
Ravi Balakrishnan氏 |
この「hp bluestone」の発表により、同社は本格的にWebサービス市場に進出することになる。IBM、マイクロソフトが提唱し、一気に各ベンダが進出を図るこの市場は、2005年には118億ドル規模になると予測される成長分野だ(米ガートナー調べ)。「HPはWebサービスのビジョンを5年前に「e-services」としてすでに掲げていた」と米HP Web Services部門 製品マーケティング・マネージャ Ravi Balakrishnan氏は、HPが決して後発ではないことを強調する。
現在、Webサービスについて定義は各社で異なるが、Balakrishnan氏は「HPのWebサービスは企業のビジネスアプリケーション、ビジネスプロセス、ビジネス資産など公開、共有したいものの総称」とする。これまで相互運用性のなかったこれらのアプリケーションが自由に登録、発見、閲覧などができるように、大手ベンダがイニシアティブをとって標準化が進められている段階だが、HPもこの動きに積極的に参画していくという。その一例として、Balakrishnan氏は米マイクロソフト、米IBMに次いで3社めのUDDIのノード・オペレータになることを挙げた。UDDIはWebサービスの登録や発見、記述を可能にし、サービスの電話帳のような役割を果たす技術だ。
同社のWebサービスのプラットフォームで重要な役割を果たすのが、1995年にHPが発表したブローカリング技術「e-Speak」だ。「e-Speak」は「netaction」と統合されて「Bluestone」の上で動作し、Webサービスの開発、統合、実装を可能にする。機能をモジュール化し、オープンソースとして無償で提供する。WSDL、SOAP 1.0、UDDIをサポートした「e-Speak」のデベロッパリリースのベータ版は8月にもリリースの予定という。
Balakrishnan氏は同社のWebサービス・プラットフォームの強みとして、「e-Speak」で蓄積してきた技術、XMLやJavaといった標準化活動へのコミット、トータルで提供できる点、そして.NETとの相互運用性を挙げる。「マイクロソフトの製品のユーザーは圧倒的な数。.NETは今後重要になるだろう」。現在、HPはマイクロソフトと共同で相互運用性の検証作業を行っているという。
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ヒューレット・パッカードの発表資料
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