ERP関連知識が不可欠、米国ITエンジニア事情

2001/8/10
Wednesday, August 8, 2001, 12:20 PM ET. InternetWeek By Mary Mosquera

 米国では、“ホットなスキル”を持つITプロフェッショナルは引っ張りだこだ。景気の波に合わせ、高い給料に各種福利厚生といった恩恵を得られる――アウトソーシング企業、Hewitt Associatesが8月8日に発表した調査結果だ。同社の「2001 U.S. Hot Technologies Servey」によれば、現在の“ホットなスキル”とは、SAPやPeopleSoftなどのERPシステム向けのアプリケーション開発と製品サービス、SAP製品の基本的なインフラの知識を指す。

 「下向きの景気が労働市場に影響を与え始めてはいるものの、産業を問わず、企業がトップクラスの質の人材を求める傾向は変わっていない。企業は才能ある人材を雇い、刺激し、保持したいと思っているのだ」と同社ITコンサルタント Teresa Guelich氏は述べている。

 同社によれば、ここ12カ月間の給与のベースアップは7.5%増で、年間の基本給と賞与を合わせた所得総額も6%以上増加した。2000年には、ベースアップの増加率は5%程度となり、所得総額は6%の伸びとなる見込みだという。

 需要の高い従業員のうち61%は賞与を受け取っており、その平均額は基本給の13%に相当するという。ストックオプションなどの長期的なインセンティブを受け取っている従業員は全体の15%となった。

 同社は198社に対して調査を行い、供給が少なく需要の高いスキルを持つ4万2000人についてのデータを調査結果にまとめた。また、同調査では、企業が個人に提供するサービスについてもリサーチした。その結果、軽装の許可、各種エンターテイメント施設の割引、サイト上でのATMやバンキング・サービスが便利の良いサービスとして挙がっている。

 IT関連に従事する労働者のうち、自発的に人事異動する人はほとんどいないことも明らかになった。一方、12カ月間でIT関連の部署に配属された人は調査対象となった全IT従事者の11%を占めている。ほとんどの企業が、“ホットスキル”を持つエンジニアはレベルアップ、もしくは最新技術の習得のために、他社に転職する傾向が強いと指摘している。

 96%の企業が、自社が人材募集する場合、応募者を見つける一般的な手段として、口コミや知り合いからの推薦を挙げている。その次の手段として、インターネットでの告知、社内での人事異動が続いている。

[英文記事]
PeopleSoft, SAP Skills Most In Demand

[関連リンク]
Hewitt Associates

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