セキュリティ侵害での損失を懸念するIT管理者

2001/10/13
Wednesday, October 10, 2001, 4:31 PM ET. InternetWeek By Rutrell Yasin

 ITおよびWebシステム管理者は、財務面での損失よりも、システムのセキュリティ侵害がカスタマに与えるインパクトの方を脅威と感じていることが、米Jupiter Media Metrixの調査で明らかになった。

 米Jupiterでは、471社のIT管理者を対象に調査を行った。その結果、40%の管理者がシステムへの不正侵入などセキュリティ面が、カスタマからの信頼に悪い影響を与えると答えた。一方、財務面での損失を最も懸念する事項に挙げたのは、わずか12.1%にとどまった。

 今年7月に実施された同調査は、Jupiterの企業システムのセキュリティに関するレポート「Enterprise Security:Managing Services for Maximum Coverage」に掲載されている。

 さらには、49.5%のIT管理者が、自社のWebサイトのデータの重要度は“低い”と答えている。Jupiterのアナリストは、「これは、Code Redなどウイルスが猛威を振るったことで、資産を過小評価する傾向が強まったことを示唆している」という。

 重要度の高いファイルがWebサーバに保管されなくなったとしても、抜け目のないクラッカーは、貴重なデータを狙って他のシステムにあるカスタマ向けのアプリケーションをターゲットにする、とJupiterのシニア・アナリスト David Schatsky氏は予測する。「Webサイトを持つ企業はどこも、攻撃対象になりうる」と同レポートには書かれている。

 最新の技術や手法に関する情報を常にキャッチすることは、サイトの安全対策には欠かせない。その一手段として、Jupiterでは、Webの管理者はセキュリティ管理の大部分をアウトソースするべきだと推奨している。セキュリティ・サービスのプロバイダでは現在、24時間365日体制でのモニタリングや緊急事態の対応などのサービスを提供するところが多いという。

[英文記事]
Report: IT Undervaluing Financial Loss Of Security Breaches

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