IPv6へ、スムーズで容易な移行を実現するとジュニパー

2001/11/30

 ルータ機器メーカーのジュニパーネットワークは11月29日、製品へのIPv6対応を正式に発表した。現在世界コアルータ市場でシスコに次ぐシェア(38%、Dell'Oro調べ)を占める同社だが、今後はアクセスやモバイル分野でも展開を図るという戦略も明らかにした。

 同社はすでに、フランステレコムや学術機関など20拠点でIPv6対応を完了している。ここで得た実績と経験に基づき、IPv4とIPv6の共存からIPv6への移行まで、スムーズな転換をサポートするという。今回、ルータOS「JUNOS 5.1」でのIPv6サポートにより、インターネットアクセスおよびコアルータ製品「Mシリーズ」をIPv6に完全対応させた。その主な特徴として以下の点を挙げた。

・パフォーマンス

 ハードウェアベースでIPv6のフォワーディングを行うため、パフォーマンスを劣化させることなくIPv6を展開できるという。また、ネイバーディスカバリー機能により、ステートレス自動設定、ダイナミック・コンヒュギュレーションが可能となる。

・スムースで容易な移行

 IPv6機能をルータOS「JUNOS」の標準コンポーネントとして提供し(JUNOSのアップグレードに関しては、既存顧客は無償で行える)、XMLベースのインターフェイスによりOSSに統合できる。移行パスとしては、デュアルスタック、トンネリングの両方を提供、顧客は自社のネットワークの特徴に応じて選択が可能。

 この日、説明を行った同社 プロダクト マーケティング マネージャー トッド・シミズ(Todd Shimizu)氏は、“実稼働品質”を強調する。同氏は、「ベータ版での運用実績に裏打ちされた品質を提供する。純粋なスループットとサービス稼働中でのスループットと両方で検証を行った結果、パフォーマンスを落すことなく(IPv4とIPv6の)共存を実現した」とし、「ユーザーがスムーズに、容易にIPv6へ移行できるようサポートする」と語った。

 また、同社は現在、モバイルのゲートウェイなどでも研究・開発を行っており、順次製品化していくという拡大戦略も発表した。

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ジュニパーネットワークスの発表資料

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