iPAQで、“のぞき窓”からPCを遠隔操作するソリューション

2001/12/20

KDDIのパケット通信用カード「Rapira Card」を装着したiPAQ。iPAQ画面左下に見えるのが、PCのサムネール画面となる
 コンパックコンピュータとKDDI、CSKネットワークシステムズの3社は12月19日、企業向けモバイルソリューションの提供で協業することを発表した。その第1弾として、コンパックのPocket PC「iPAQ」からPCをリモート操作できる「Mobilickソリューション」を発表した。

 「Mobilickソリューション」は、韓国Witnetが開発したソフトを利用し、外出先のiPAQからオフィスのPCをリモート操作できるソリューション。接続すると、iPAQにPCの画面が映し出され、スタイラスを使って操作する。PCの全画面を表示することは不可能なので、のぞき窓から見るような形で必要な部分のみを表示する。Witnetが開発した独自の圧縮技術により、64kbpsのパケット通信でもストレスなく画面表示できる。PC上で動作するアプリケーションは、すべてiPAQから操作できる。もちろん、PC内のデータの書き換えも可能だ。iPAQ、PCともにMobilickのクライアントソフトをインストールするだけで、それ以外のソフトは必要ない。

 iPAQとPCとの接続は、イントラネットなどの社内システムに接続した専用サーバ(Mobilick Management Server)を介して行い、このサーバが認証を行う。iPAQとこの専用サーバは、KDDIが提供しているcdmaOneのパケット通信網などを利用して接続することになる。

 Mobilickソリューションの最大の特徴は、iPAQ向けに新たな業務用アプリケーションを開発・導入することなく、既存の業務用アプリケーションをそのままiPAQから利用できることという。

左より、CSKネットワークシステムズ プロジェクト推進室室長 取締役 二瓶 直人氏、コンパックコンピュータ エンタープライズビジネス統括本部 モバイルビジネス推進本部 本部長 伊藤 亮三氏、KDDI au商品企画本部 商品企画部 次長 原口 英之氏、Witnet 代表取締役 韓 文秀氏

 3社では、サーバ込みのエンタープライズモデル(500クライアント)の場合、ソフトウェアライセンスは1ユーザーあたり1万円程度を想定している。また、CSKネットワークシステムズが、MobilickソリューションをASPサービスとして提供する予定もある(来年3月下旬提供開始予定)。

[関連リンク]
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