既存の回線を実質2〜5倍に拡張できるソリューション

2002/2/6

 ネットワールドは2月5日、企業内WAN回線の帯域を実質2〜5倍に拡張可能なエンタープライズキャッシング技術を持つExpand Networks(エクスパンドネットワークス)と、国内での独占販売契約を結んだことを発表した。

 Expand Networksは、主にERPやCRMなどのようなミッションクリティカルなアプリケーションによって生じる、ネットワークへの負荷を軽減させる製品を開発・販売している。

 アプリケーションやデータなどは、現在本社などに集約される傾向にあり、企業WAN回線のデータ伝送量が増大している。そのデータが回線を圧迫し、ミッションクリティカルなアプリケーションの実行速度を遅延させる場合がある。その解決策として、専用線、フレームリレーなどの帯域幅を広げることなどが考えられるが、多額の投資が必要となる。

 そのような問題点を解消するために開発されたのが、Expand Networksの「ACCELERATOR」(アクセレレータ)製品群だという。

 同製品群は、回線(専用線、フレームリレー、ADSL、IP-VPN、ATMなど)の両端で同じデータキャッシュを持たせることで、回線のトラフィックを軽減できる。この技術を利用することで、「既存の企業WAN回線をアップグレードすることなく、少ない投資でより多くの回線の帯域を確保できる」とネットワールド営業支援本部取締役本部長の森田晶一氏はいう。

 スループット(128Kbps〜2Mbps)により、ACCELERATOR 1800/2750/2800/4000/4800があり、1U/2Uのアプライアンス製品。価格は38万円(オープン価格のため推定)〜168万円程度。

 同製品群のエンタープライズキャッシング技術は、キャッシュや圧縮のためにパケットをヘッダ部とデータ部に分ける“バーティカル・データ・アナリシス”、対向のアクセレレータに繰り返し参照されるデータをキャッシュし、再参照された場合に関連付けられたトークンのみWAN上を通る“セレクティブ・キャッシュ”、キャッシュされないデータを、独自のアルゴリズムで圧縮して送信する“アダプティブ・パケット・コンプレッション”などで構成されている。この製品の設置方法(場所)として、DSUとルータ間に設置する“WAN方式”、ルータとLAN間に設置する“On-path方式”、LAN上に設置する“On-LAN方式”を用意している。

 冗長性に関しては、ソフトウェアはフラッシュメモリカードに搭載し、WAN方式/On-path方式では、ハードウェア障害時には、何もせずデータを流す自動バイパス機能により、システムの停止を回避する。そしてOn-LAN方式では、ルータの冗長プロトコルのVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)やHSRP(Hot Standby Routing Protocol)をサポートし、さらに、SNMP、RMON/RMON IIなどの性能障害管理機能およびトラフィック基本ポリシーの確定と運用、保守が容易であることも特徴として挙げられる。

 最後に、エクスパンドネットワークス アジア・太平洋営業ディレクターのアリエル カナール(Ariel Caner)氏は、「少ない回線を活用してより多くのことを行うことで、ネットワークのTCOを削減できる。その実現のため当社の製品群は価値がある」とその存在意義をアピールした。


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