既存システムに3Dと表現技術の“スキン”を提供
2002/2/13
同社は鳥取に本社を持つ。発表会には鳥取県知事 片山善博氏が挨拶し、同県におけるIT技術や環境への取り組みを語った |
レクサー・マトリクスは2月12日、3Dインターフェイスを提供するソフトウェア「eReality ver.1.0」を発表した。複数のオブジェクトの動作と表現プロセスのデータセットを切り離すことにより、キャラクターなどを自律的に動作させることが可能となる。3月より販売を開始する。
eRealityは、3DのOS、2Dのマウスで3Dの操作を可能にする「virtual Reality User Interface(VR-UI)」、キャラクターなどの自然な表現を可能にする「感情データベース」、形状や行動、シナリオを分離して配信できる「サイバー・ブレード配信」の4つの技術をベースとする。これにより、これまでの見る・読むといった一方的で受動的なユーザー体験から、自らが仮想体験を作り上げる能動的な体験を可能とするという。また、自律動作オブジェクト機能により対話体験も実現するという。
用途としては、ロボットなどキャラクターの組み立てなどのエンターテイメント要素の強いもののほか、CRM製品と組み合わせて、ナビゲート機能を持つ3Dキャラクターの提供、リアルタイムでの3Dコンテンツ配信やシナリオ配信、eラーニングでの対話的教材などが想定されるという。同社 取締役 営業統括本部長 原大祐氏は、製品の位置付けを「あらゆる情報システムの“スキン(=皮膚)”」と言う。そして、今後はインターフェイスの重要性が増すことに触れ、「顧客、従業員、パートナー企業、すべての“関係”で、インターフェイスは重要。だが、静的コンテンツを動的にするだけでは限界がある。(新製品は)パーソナライズされたビヘィビア(振るまい)と感じることのできるインターフェイス、先進的な情報表現により、その先のレベルを実現する」と語った。
代表取締役社長 中村氏 |
製品は、eR. Browser、eR. Server、eR. Creator ver1.0の3製品で構成される「eReality ver1.0 Light」と、eR. ObserveとeR. Adapterが加わった同Standardの2種類。直販のほか、パートナー企業を通しての間接販売も行う。製品はモバイルや情報家電にも対応予定で、海外への展開も視野に入れているという。
同社は、通産省の技術開発プロジェクト支援を行ってきたレクサー・リサーチを前身とし、昨年10月に設立した新興企業。3年で売上高20億円を目標とし、IPOも行いたいという。代表取締役社長 中村昌弘氏は、同社のコア・コンピタンスとして、「情報システムがもたらすものとして、効率化、スピード化などの面が強調されがちだが、(システムと)人や社会とのかかわりに着目したい」と語った。
(編集局 末岡洋子)
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