HP、短期間、低価格、高品質を実現する包括的ITサービス

2002/3/5

 日本ヒューレット・パッカードは、「hpアドバンスドAIPサービス」を新たに展開する。このサービスは、NECの持つiDCを活用したアウトソーシングサービス「ユア・インターネットサービス」をコア基盤とし、HPの持つコンサルティングサービスをパッケージ化したものだ。同社によると、従来の汎用ASPサービスに比べ、幅広いニーズ対応できるという。

 AIP(Application Infrastructure Provider)とは、米国で普及しつつある新しいITサービスの提供形態。高可用性インフラストラクチャ上で幅広いITサービスを実現し、それをユーティリティモデルで提供する。汎用ASPと異なり、多様化する企業ニーズに対応したITサービスを包括的に提供するサービスといわれている。

日本ヒューレット・パッカード常務取締役ビジネスカスタマ事業統括本部本部長 飯塚雅樹氏

 hpアドバンスドAIPサービスは、コアソリューションとHPコンサルティング(HPC)によるビジネスモデリングなどのコンサルティングをパッケージした「ITサービス・メニュー」と、ユーザー独自のITサービス開発時のハードウェアなどの投資リスクを回避する「ITパイロット・サービス」の2つから構成されている。

 「ITサービス・メニュー」は、コアソリューションとして、NECの「ユア・インターネットサービス」のサービス基盤を採用した。HPCはこれを基本にhp IceWall SSO(HPが開発したシングルサインオンのミドルウェア)などのHP製品を組み込んだカスタマイズを行い、ユーザーの要望に沿った「Webメール環境構築・運用サービス」「企業ポータル構築・運用サービス」「Webサービス基盤構築・運用サービス」「CRM環境構築・運用サービス」 などのITサービスを実現する。そのため短期間、低価格、高品質のITサービスの実現が可能という。

 「ITパイロット・サービス」では、独自ITサービスの構築時の開発リスク低減を実現する。独自サービスの開発に必要なハードウェア類をユーティリティモデルとして調達し、そのコストを圧縮できる。ユーザーはサービス開始後にシステムを購入し、自社所有に切り替えることも可能という。

 例えば、あるシステムを3年間運用した場合、従来のサービスで構築した場合、施設・環境費用、ソフトウェア/ハードウェア/ネットワーク製品、システムインテグレーション、業務コンサルティングを合わせた導入コストが約2億円となる。これに対して、hpアドバンスドAIPサービスを利用して構築した場合、約1億5000万円となり、約5000万円のコストを削減できるという。

 日本ヒューレット・パッカード 常務取締役ビジネスカスタマ事業統括本部本部長 飯塚雅樹氏は、「今回の提携は、HPの持つビジネスコンサルティングや高可用性システム構築のノウハウとNECのiDC運用におけるノウハウを集約し、ミッションクリティカルに対応できるITサービスの提供を目指すもの。そして、NECとともに新しいITサービスであるAIPの普及を促進し、この市場を開拓する」と、同サービスに対する意気込みを見せた。

 hpアドバンスドAIPサービスの販売は4月より開始し、販売方法は、HPによる直販(NECとマーケティングにおいて協調)、HPのチャネルならびにSIパートナーとの協調販売となる。初年度10億円程度、3年間で250案件の受注を目標とする。

[関連リンク]
日本ヒューレット・パッカードの発表資料
NECの発表資料

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