上限が見えてきた携帯市場、次の活路を模索するドコモ
2002/3/7
NTTドコモと米オラクルおよび日本オラクルの3社は3月6日、企業向けのモバイル基盤技術に関し共同で開発していくことに合意し、覚書を交わしたと発表した。飽和点が見えてきた日本のモバイル市場だが、法人を対象に新たな需要を掘り起こす狙いだ。
左から、NTTドコモ 常務取締役 MM事業本部長の中村維夫氏、日本オラクル 代表取締役社長 新宅正明氏 |
今回の提携で、両社はそれぞれの技術を提供し、企業向けのモバイルを利用したシステムの開発を共同で行う。具体的には、NTTドコモは、昨年秋より提供を開始した第3世代移動通信サービス「FOMA」、情報プッシュ技術「Live!ソリューションパッケージ」、位置情報提供機能などを提供する。オラクルは、データベースとして「Oracle 9i Database」、モバイル向けのオフライン用組み込みデータベース「Oracle 9i Lite」、アプリケーションサーバ「Oracle 9i Application Server」などを提供する。
さらに、3社は検討分野として、以下の3点について明らかにした。
- オラクルのデータベースや技術を利用したソリューション
- アプリケーションサーバを利用した、企業内システムとモバイル端末との連携のソリューション
- 位置情報システム(GPS)などを利用したアプリケーション
例えば、FOMAとOracle 9i Liteを組み合わせたSFAとして、営業マンがPDAを利用して、訪問先の企業情報やそこでのタスクをチェックし、行き先までのルートを地図をダウンロードして確認し、訪問後の経過を知らせる、といったことが実現できるという(下の画面例を参照)。
3Gによる地図表示(右)のほか、行き先までのルートを詳細地図で示す(左)といったことを想定している |
サービス開始時期や投資額など、詳細については明らかにされていないが、サービス開始については、半年を一応の目標にしているという。
ドコモでは、「(提携により利用される)移動通信技術に関しては、必ずしもFOMAに限らずこれまでのパケット通信やPHSも含む」(NTTドコモ MMビジネス部長 加藤秀樹氏)としながらも、「FOMAが持つ、高速性やマルチアクセス機能といった特徴が生かされる」とした。だが、出足が良くないと言われるFOMAの推進が大きな目的であることは明らかだ。モバイルでは世界でも先進国とされる日本だが、そのトップを走るドコモは、直面している次なる試練への決定的な打開策を見いだそうとしているといえる。
(編集局 末岡洋子)
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NTTドコモの発表資料
日本オラクル
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