筆王、筆まめなど、主要宛名書きソフトがXML仕様を採用へ

2002/4/3

 筆王、筆まめといった宛名書きソフトは、コンシューマ向けアプリケーションとして最もポピュラーなものの1つ。企業内でも、これら利用して住所録管理をしているケースが少なくない。こうしたアプリケーションの主要開発各社は、個人情報の標準データフォーマットとして、XMLベースの技術仕様である「ContactXML」を採用すると発表した。ContactXMLを利用することで、ソフトウェア間のデータ移動が容易になる。

 CotactXMLは、イーブリッジ、インフォテリア、クレオの3社が共同開発したコンタクト情報(人名、住所、肩書き、メールアドレスなど)を記述するためのXMLベースの技術仕様。現在、XMLコンソーシアム「ContactXML部会」を母体として普及推進活動が行われている。今回ContactXMLを採用したのは、アイフォーの「筆王」、アジェンダの「宛名職人」、クレオの「筆まめ」、富士ソフトABCの「筆ぐるめ」、そしてアドレス変換ソフトであるシステムポートの「アドレスステーション」の5つ。

 人名や住所などのコンタクト情報をやりとりするためのデータフォーマットには、vCardなどいくつかの標準がすでに存在しているが、十分に普及しているとはいえない。ContactXMLの登場は、コンタクト情報の標準化を推進するとともに、日本のビジネスに必要なコンタクト情報をXMLで記述することでデータの柔軟性を高め、よりオフィスの生産性向上を目指すのが目的といえる。XMLフォーマットであれば、他の形式に容易に変換可能な点も利点として挙げられる。

 各ベンダへのContactXMLの採用への働きかけは、インフォテリアの平野洋一郎社長が行ったとのこと。今後はマイクロソフトのOutlookなど、外資系ベンダのアプリケーションに採用を働きかけていくことが本格的な普及へのカギとなるだろう。

 XMLコンソーシアムの運営委員で、ContactXML作業部会にもかかわったイー・ブリッジ 取締役コンサルティング本部長 岡部惠造氏は、「ContactXMLと同じように、オフィスで利用されているさまざまなデータフォーマットをXMLで標準化していくいことで、オフィスの生産性を上げていかなければならない。そうした標準化の場としてXMLコンソーシアムをもっと活用していってもらいたい」と、ContactXMLを皮切りに、国内発の標準化を盛り上げていきたいと語った。

[関連リンク]
ContactXML.org
アイフォー
アジェンダ
クレオ
富士ソフトABC
システムポート
インフォテリアの発表資料

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