プロジェクトマネジメントに本腰を入れ始めたMS
2002/6/28
「Microsoft Project Server 2002」 | 「Microsoft Project Professional 2002 」 |
マイクロソフトは6月27日、プロジェクトマネジメントの最新製品群「Microsoft Project 2002」を発表した。このところ日本でも、CMM(Capability Maturity Model)、EVMS(Earned Value Management System)など、プロジェクトを管理することでソフトウェアの品質を向上させる手法に注目が集まっている。プロジェクトマネジメントは、欧米ではソフトウェア開発にかかわらず、一般のビジネスの用語や手法として浸透している。「先進国では唯一普及していない日本。まずは市場開拓から」と同社は意気込みを見せる。
新製品は、同社が以前より提供してきたMicrosoft Projectシリーズの最新版。これまでの製品が個人、およびチームベースだったのに対し、Project 2002では、それらに加え、複数のプロジェクトを全社的に管理する機能が加わった。製品はStandard、Professional、Serverの3種類で構成され、シングルユーザーはStandardを単体で利用し、チームでの利用はStandardとServerを、企業での利用はProfessionalとServerを併用する。
エンタープライズレベルとしては、リソース管理、意思決定サポートなどの機能がある。リソース管理とは、人材に対してスキルのレベルやスケジュールを登録しておくことにより、特定のプロジェクトに必要なスキルを持つ人材の選定を迅速に行える。リソース(人材)の切り替えウィザードもある。上級管理者に対しては、「SQL Server 2000」との連携機能により、ポートフォリオ分析機能などを提供する。これらの機能により、プロジェクト管理が一括で行えるほか、予定のコストや時間などと現状との比較も可能となる。
シングルユーザーでは、使いやすさに改良が加えられた。Officeと同様のインターフェイスを提供し、ExcelやWordとの互換性もある。プロジェクト ガイド機能やウィザードもあり、初心者でも使いやすいという。
同社 執行役員 佐藤氏 |
ワークグループでは、チームとしての生産性がアップするよう、Webベースの進ちょく状況の確認や報告機能、電子メールによる自動通知機能などが追加されている。例えば、新たなタスク情報を自動的に関係者に連絡したり、タスクの開始日が近づいたらアラートしてくれる、といったことが可能となった。
価格は、Standardが7万4800円、Professionalが13万7000円、Serverが30万1000円。3製品とも発売は7月26日に開始する。
通常、同社における日・米の市場規模の比率は、日本は米国の30%程度。だが、同製品に関しては、5〜10%と低いという。その理由として、「競合製品が売れているわけではなく市場そのものがない」と同社 執行役員 製品マーケティング本部 本部長 佐藤哲也氏は語る。そのため、製品の販売の前に、まずは市場の認知を広げるため、広範なマーケティング活動の展開から始めるという。
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