不況下でもITサービス市場が成長するのはなぜか?

2002/7/16

 データ処理サービス、SI事業や保守サービスなどで構成される国内ITサービス市場は、今年度も年間平均成長率7.4%で伸び2003年には6兆円の大台に乗る見込みという。IDC Japanの最新のレポートによる。

 IDC Japanによると、給与計算処理などの処理サービス、システムインテグレーション(SI事業)、ハードウェアおよびソフトウェアのインストール・サポート、ISアウトソーシングなどのITサービス市場は2001年、対前年比5.2%増の5兆5554億円となった。カテゴリ別の市場規模は、処理サービス、システムインテグレーション、ISアウトソーシングの順になっている。

 今後もITサービス分野は堅調に推移すると分析する同社は、その理由について、業界再編によるシステム統合への需要、業務の合理化・競争力の増強を目的とした戦略的なITシステムの導入、そしてe-Japan構想による官公庁および政府・地方自治体におけるSI案件の増加、などとしている。

 興味深いのは、現在、第3位のISアウトソーシングが2年後の2004年には、最大規模の市場セグメントとなることだ。IDC Japanでは、IT資産を自社で所有・管理するというこれまでの情報システムへの価値観が変化し、ベンダのインフラや運用ノウハウなどの利用効果に対する理解が進んできたことの表れとしている。

 ITサービス市場に関するレポートは、先月もガートナー ジャパンが発表していた。ガートナーでも、アウトソーシング(同社の用語では「ITマネジメント・サービス」となる)市場は、最も高い成長率で推移すると予測している。同社の調査では、2005年までは年間平均成長率7.7%で成長するものの、2002年は景気低迷などの影響を受け、対前年度比成長率は過去最低水準の5.6%にとどまると予測している。

[関連リンク]
IDC Japan
ガートナー ジャパン

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