2002年SI事業社ランキング、合併・統合が順位に影響

2002/8/20

 IT関連の専門誌を発行しているコンピュータ・エージは8月19日、日本の情報サービス事業者の売上高ランキングを発表した。売上高首位は7678億円を計上したNTTデータとなった。NTTデータは13年連続で首位の座をキープしていることになるという。

 同社では1978年より、日本の情報サービス事業者を対象に、売上高や従業員数などの調査をおこなってきた。今回は今年6月に、全国の事業者を対象に、業績(売上高、従業員1人あたりの売上高など)と人材(資格取得数と取得率、平均年齢、平均勤続年数など)の大きく2つに大分して、調査を行っている。

 売上高ランキングでトップ3となったのは、NTTデータ、NTTコムウェア、野村総合研究所で、それぞれ、7678億円(対前年度比97.6%)、4267億円(同91.6%)、2173億円(同107.7%)。NTTデータの首位は1989年の当時NTTデータ通信時代から13年連続となる。3位の野村総研は昨年4位からのトップ3入りとなっている。

 今年の特徴について、同社で『月刊コンピュートピア』編集長を務める砂田薫氏は、「コンピュータメーカーの系列子会社の再編など事業者の合併・統合が進み、それが順位に表れた形となった」と語る。例えば、売上高対前年比ランキングでは、最も売り上げを伸ばした三菱電機インフォメーションシステムズ(対前年度比336.3%)をはじめ、上位10社中8社が合併・統合により売上高が伸びた格好となっている。「本業が伸びたというより、合併統合により数字が増えた形」と砂田氏は続ける。今後も、多くの産業で企業の合併・統合が進むことが予想されるため、当面は、情報サービス業への影響は免れられないと見ている。

 資格については、国家試験に加え、マイクロソフト、オラクル、SAPなどのベンダ認定資格の取得者も調査している。ベンダ認定試験に関しては、取得者に一時金を支給するなど積極的なベンダとそうでないベンダにより、取得者数が大きく異なる結果となった。だが、取得の必要性を見出せない事業者も多く、業績にどのように影響しているかは定かでない。同社では、「(資格取得者が多いか否かが)案件受注に直接影響しているわけではないのでは」と述べつつも、今後も動向を見守るという。なお、ITエンジニアの不足が言われるが、今回の調査では、「不足」と回答した事業者が1、2年前と比較して減少し、「過剰」と回答する事業者が微増するなど、不足感に若干の減少が見られるという。

 また、事業者単位となる各種認定制度については、プライバシーマーク制度取得企業が売上高上位125社中69社、CMM取得企業は、レベル3が4社、レベル2が3社で、検討中が80社となるなど、関心の高さを示す結果となった。

 この調査の詳しい結果や分析は、同社の『月刊コンピュートピア』の2002年9月号・10月号で取り上げられることになっている。

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コンピュータ・エージ

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