信頼されるアウトソーシング、透明性に重点を置くデータクラフト

2002/9/12

データクラフトのネットワーク管理センター「STARtrac」。24時間365日体制で監視する。バイリンガル対応で、顧客には外資系企業も多い

 独立系システムインテグレータ(SI)のデータクラフトジャパンは、顧客企業のネットワークやサーバなどのシステムをリモートで監視するネットワーク管理センター「STARtrac」を公開した。24時間体制で顧客企業の監視を続け、ネットワークの問題点を検知しトラブルを未然に防ぐ。自社で管理するよりもSTARtracを使った方が、最大で40%のコスト削減になるといい、ネットワーク管理にコストや時間をかけることができない企業をターゲットにする。同社は、顧客への情報公開を進めて、信頼を得る考えだ。

 STARtracのスタッフは15人で、3交代制でネットワークを監視する。顧客企業のネットワークやサービスに障害が発生した場合は、リモートで修復を行い、必要な場合はサポート要員が駆けつける。

 STARtracは、データクラフトの運用支援サービス「Insite」と組み合わせて利用する。Insiteの特徴の1つは、顧客に対する透明性を高めたこと。データクラフトの技術者がSTARtracで行った作業はすべて記録される。データクラフトはSTARtracを使って、ネットワークの障害監視をはじめ、サーバの稼働率や遅延時間、しきい値のチェックなどパフォーマンスの監視を行う。収集したこれらの結果やデータは、専用のポータルサイトを通じて顧客企業に公開する。顧客企業はリアルタイムに変化するネットワークの状況をポータルで確認できる。

データクラフトの代表取締役社長 青木厖氏

 データクラフトの代表取締役社長 青木厖氏は、「STARtracとInsiteの顧客数は300社以上。その中には金融機関などもあり、高信頼性が要求される企業に売り込みたい」と述べた。

 データクラフトのサービス部 マネージドサービス シニアビジネスディベロップメントマネージャーのアーウィン マッティー(Erwin Matti)氏は、「ネットワーク管理は、(顧客が)単純にすべてを丸投げできるものではない」と話し、きちんと管理を行っているかどうかの信頼を得ること、そのために顧客との協力関係を築くことがアウトソーシングの効果を上げるためには重要との認識を示した。データクラフトでは情報を公開し、透明性を高めることで顧客の信頼度を高め、協力関係を築く方針だ。

 ネットワークの管理業務はアウトソーシングしたいが、ネットワークの状況は常にチェックしたいという顧客企業は多い。SIが顧客企業の信頼を得るには、技術力やコンサルティングだけでは不十分。透明性を高めるなどプラスアルファが必要になりそうだ。

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データクラフトジャパン

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