学生にもオブジェクト指向開発の実践スキルを、日本ラショナル
2002/9/26
武蔵工業大学工学部 情報処理センターで行われたオブジェクト指向セミナーの講義風景 |
日本ラショナルソフトウェアは9月13日、武蔵工業大学で「オブジェクト指向セミナー」を開催した。対象は同学の工学部および環境情報学部の3、4年生。ビジュアルモデリングの定義から、その価値の理解、同社のUMLモデリング・ツール「Rational Rose」のインターフェイスの機能や基本的な操作の習得を目指すことを目的とし、講義を受ける学生の多くは、ツールで行うUMLモデリングの作業に戸惑いつつも、熱心に講義を受けていた。
同社では、これまで早稲田大学工学部(2001年11月)、東海大学工学部(2002年3月)、東京都立大学工学部(2002年6月)で同様のセミナーを行った。同社の教育機関向けプログラムの一環として行われているもので、「Rational Rose」を活用し、オブジェクト指向開発の分析、設計作業の基本を無料で学生に講義することで、「Rational Rose」の将来的なユーザーの育成、知名度の向上を目指す目的がある。セミナーの内容は、同社が法人・個人向けに提供するトレーニングコースをほぼ踏襲している。通常は4日間かかるこのカリキュラムを約4時間で行う濃度の高さである。
武蔵工業大学工学部講師の安井浩之氏 |
講義は、実践を中心に行われた。学生はあるシステムの開発要求ドキュメントからユースケースを見つけ出し、クラスを作成していく。実際のモデリング作業を行ったことがない学生にとっては、アクターを定め、ユースケースを探し出す作業から、ユースケースの振る舞いを各クラスに振り分ける作業まで、予想以上に困難な様子だった。
武蔵工業大学工学部講師の安井浩之氏は、「学生がモデリングツールを用いて、開発の経験を少しでも積めることは重要なことだ」とし、ラショナルソフトウェアのセミナーを学生に受けさせることを決めた、という。さらに「オブジェクト指向開発の普及で最も大きな影響は、『部品』の再利用という点だろう。再利用が積極的に行われるためには、標準化が必要である。この標準化がどこまで行われるか、いまはまだわからない。いずれにしても、オブジェクト指向開発は、今後のシステム開発の主流になっていく。そのための実践的な基礎技能を学生時代に身に付けておくことは重要なことに違いない」と述べた。
(編集局 谷古宇浩司)
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