「今後10年間成長続ける」、トレンドマイクロCEO、新戦略に自信
2003/1/16
トレンドマイクロ CEOのスティーブ・チャン(Steave Chang)氏 |
トレンドマイクロは1月15日、企業向け総合セキュリティ戦略「トレンドマイクロ エンタープライズ プロテクション ストラテジー(Trend Micro EPS)」の刷新を行った。Trend Micro EPS Phase2と名づけられた新戦略は、アライアンス、プラットフォーム、アウトブレーク・ライフサイクル・マネジメント、集中管理、製品、パートナーの各分野においてブラッシュ・アップを行ったTrend Micro EPSの次世代バージョンである。3月に発売する管理ソリューション「Trend Micro Control Manager 2.5 」が中核となる。同社CEOのスティーブ・チャン(Steave Chang)氏は、新戦略を「ウイルス発生から終息までに関わる一連の対応を、企業規模のニーズに沿って提供することが最大の特徴」と説明する。
そもそも、Trend Micro EPSは企業向けセキュリティ対策戦略として、同社が2002年6月に発表したもの。製品群を集中管理し、ウイルスの大規模感染を最小限に抑える、とする当初のコンセプトに変更はないが、Trend Micro EPSにおいて、必ずしもこの“理念”があらゆる企業で享受できていたとは言いがたい。
例えば、他社とのアライアンスについては、ファイアウォールなどのセキュリティ対策ソリューションを1社単独で提供してきたが、企業向け、特に大規模企業向けのソリューションとなると、専業ベンダが一日の長があった。また、プラットフォームという観点で見れば、マイクロソフト製品のみの対応という状況だった。それが、今回からファイアウォール分野でNetScreenと提携、プラットフォームではマイクロソフト製品に加え、サン・マイクロシステムズのSolarisを追加するなど、ほかの分野でも積極的な強化策を打ち出した。
Trend Micro EPS Phase2の第1弾として登場する「Trend Micro Control Manager 2.5 」は、クライアント/サーバ
セキュリティ製品群やWebアクセス セキュリティ製品群などと連携して動作する管理ソフトである。
新種のウイルスが発生した時、またはパターンファイル配信前に「ウイルス感染予防推奨ポリシー」を配信・実行することで、複合型ウイルスの初期段階での予防施策を実施し、ウイルスの感染拡大を防ぐことを目指す。システムの一部が感染した場合でも、「コンピュータの隔離から修復まで集中的に管理可能なため、システム全体へのウイルスの蔓延(まんえん)を防ぎ、短時間でシステムの復旧が可能になる」(チャン氏)。Trend
Micro Control Manager 2.5発売に続き、同社では順次Trend Micro EPS Phase2に基づいた製品を提供していく。
具体的な製品がそろい始めることで、同社が提唱する、ウイルスの発生から終息までの対応、すなわち「情報収集」「予防措置」「措置の完了確認」「パターンファイル更新」「検索と駆除」「復旧」「分析と事後対策」で構成される「アウトブレーク・ライフサイクル・マネジメント」が現実のものになる予定。
チャン氏は「トレンドマイクロがこれまで蓄積してきた知識とノウハウをパートナー、そしてエンドユーザーにいかに伝えるかが最重要課題となる」とし、さらに「この戦略は他社にはない独自のもの。少なくとも今後10年、トレンドマイクロは成長し続けるだろうし、市場のトップシェアを維持し続ける」と強気の姿勢を示した。
(編集局 谷古宇浩司)
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