[BEA eWOLRD 2003開催]
「過去と未来をつなぐ橋」、それがBEA WebLogic Platform 8.1

2003/3/5

 米BEAシステムズは、米国フロリダ州オーランドで開催した第8回テクノロジーカンファレンス「BEA eWORLD 2003」の初日、統合アプリケーションインフラ製品の「BEA WebLogic Platform 8.1」を発表した。

BEAシステムズ会長兼CEO アルフレッド・チュアング氏。「過去と未来をつなぐ橋」と、WebLogic Platform 8.1を紹介した

 今回のカンファレンステーマである“converge”(収れん)が象徴しているのは、主力のWebアプリケーションサーバのWebLogic Serverを基盤に、WebLogic Portal、WebLogic Integration、そして統合開発環境であるWebLogic Workshopをすべて包含し、バージョンナンバーを8.1に統合したこのスイート製品の進化だ。前のV7.0から8.0を通過したバージョン番号が付されたあたりにも、このメジャーバージョンアップへの同社の意気込みが見てとれる。

 基調講演のトップバッターで登壇したBEAシステムズ会長兼CEO アルフレッド・チュアング(Alfred S.Chuang)氏は、WebLogic Platform 8.1を「過去と未来をつなぐ橋」と表現した。

 情報時代において、成功とはビジネスフロー、情報、システム、企業、組織全体をきちんと管理すること。それには優れたITアーキテクチャが不可欠だが、それを構成するアプリケーション開発とアプリケーション統合という2つの要素のうち、前者が明日の問題だから積極的に取り組まれてきたのに対して、後者は過去と向き合うことであるためにおざなりにされ、混とん状態に置かれてきたとチュアング氏は訴えた。

 「BEA WebLogic Platform 8.1は、その状況を根本から変革する。これは統合され、標準化され、単純化されたソフトウェア・インフラストラクチャ・プラットフォーム。統合開発環境であり、1つのコードベースから成るシングルランタイム環境であるこの製品で、エンタープライズ・アプリケーションを、ポータルを、ワークフローを、Webサービスを、ビジネスプロセスを開発し、統合し、拡張し、管理することができる。これからは、すべての統合は開発であり、すべての開発は統合だ」(チュアング氏)

 同氏はまた、BEA WebLogic Platfrom 8.1を“アプリケーション・プラットフォーム・スイート”と命名し、その台頭を予測したガートナーグループの言葉を紹介し、「BEAシステムズはまったく新しいジャンルを開拓し、ただ1人正しい道を歩んでいる」と述べ、胸を張った。

 BEA WebLogic Platform 8.1の最大のセールスポイントは、統合開発環境 Workshop 8.1の機能強化だ。同社CTOであるスコット・ディッゼン(Scott Dietzen)氏によると、これまでWebサービスを開発するためのツールというスタンスであったのが、Webプラットフォームのサーバサイド開発全体をカバーするエンド・ツー・エンドのツールに成長したのだという。

BEAシステムズ CTO スコット・ディッゼン氏

 「これまで、開発者がインテグレーションプロジェクトを嫌ったのは、アダプタやWebサービスの開発、ワークフローやBtoBプロセスの作成に、それぞれ別のツールを使わなければならかったからだ。そうしたすべての開発機能を、Workshop 8.1という1つの開発環境に統合した。例えば、ベーステクノロジの1つにJavaのためのプロセス定義というものを使った。ワークフローの作成をXMLとJavaで高度な形で行え、Javaコミュニティプロセスの標準化提案に提出した。ポートレットとコンテンツ管理のためのJava標準も作ったし、WebLogic Portalの機能をWorkshopに移すようなこともしている。E-Business Control Centerなどはその例だ」(ディッゼン氏)。「BEA WebLogic Platform 8.1で、あなたが統合のスペシャリストになれる。あなたがもっと市場で価値あるものになる」

 チュアング氏は講演の最後に、「アプリケーションの開発と統合という2つフェイズが単一のインフラストラクチャに“収れん”することによって、生産効率が向上するだけでなく、開発者の人生が変わる、もうMBAコンサルタントはいらない、オーケストラを指揮するのはあなたがただ」と聴衆を鼓舞していた。

 BEA WebLogic Platform 8.1は、すでにベータ版がBEAのWebサイトからダウンロードできる。製品版(英語版)は2003年夏に出荷される予定。

(吉田育代)

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米BEAシステムズ

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