NTTドコモが新携帯電話を発表、100万画素カメラを搭載

2003/4/9

NTTドコモが発表した「505i」シリーズ

 NTTドコモはMacromedia Flashを実装し、100万画素以上のデジタルカメラを搭載したiモード対応携帯電話の新シリーズ「505i」を開発したと発表した。今後3カ月以内に順次発売する。アプリケーションのダウンロード機能も向上し、複雑なプログラムを実行可能にしたという。爆発的な成長が止まった携帯電話市場で、高機能を売りに買い替えや他社からの乗り換え、または開拓し切れていない法人需要を作り出すことができるか。業界のガリバー、NTTドコモの戦略が注目を集めそうだ。

 505iシリーズはMacromedia Flashを実装し、Webサイト上のFlashを再生可能。また、アプリケーションのダウンロードサービス「iアプリ」の機能が向上し、従来の2倍の200KBのプログラムを実行可能にした。KDDIがauで提供するプログラムダウンロードサービス「BREW」と同様に、携帯電話の電話帳や着信履歴のデータなど本体のコア部分にもアクセスできるようにした。iアプリの機能が向上したことで、企業システムへのアクセス方法などが高度化され、法人市場での利用が増えることが考えられる。iモードのWebブラウザで表示可能なWebサイトの1ページ当たりのサイズも、従来の10KBから20KBに拡張した。

会見にはNTTドコモのテレビCMに出演する加藤あいさんが出席

 今回NTTドコモが発表したのは三菱電機と富士通、NEC、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、シャープ、ソニーエリクソンの各ベンダが製造した6機種。すべての機種がデジタルカメラを搭載し、そのうち三菱と富士通、ソニーの3機種は100万画素以上のカメラを搭載している。6機種とも撮影した画像などを保存できるメモリーカードを利用可能。

 505iシリーズはアプリケーションのダウンロード機能やデジタルカメラ、Webブラウザ、赤外線対応など、企業の情報システムと連携できる機能が豊富に搭載されている。富士通製の機種は指紋認証機能も搭載した。会見したNTTドコモのiモード事業本部 iモード企画部長 夏野剛氏からは、法人市場へのアピールを聞くことはできなかったが、個人向けの携帯電話市場が踊り場を迎えたことで、各携帯電話事業者は法人市場を重視し始めている。KDDIは、BREWを使った携帯電話と情報システムとの連携を重視し、ソリューション開発で日本IBMと提携した。NTTドコモも高度な機能を搭載した携帯電話を武器に、法人市場を本格的に掘り起こしたい考えだ。

(垣内郁栄)

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NTTドコモの発表資料

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