N1を活用したサンの新ソリューション戦略

2003/4/17

サン・マイクロシステムズの取締役 インフラストラクチャー・ソリューション事業担当 ジェームズ・ホワイトモア氏

 サン・マイクロシステムズは、次世代アーキテクチャ「N1」を活用してサンのハードやソフトと、サービスとパートナーの製品を組み合わせて、顧客企業に対して最適なソリューションを提供するビジネス戦略「インフラストラクチャー・ソリューション」を国内で提供開始すると発表した。サンの取締役 インフラストラクチャー・ソリューション事業担当 ジェームズ・ホワイトモア(James Whitemore)氏は、「企業に対して効果が期待できる実証済みのベスト・プラクティスを提供する」とアピールした。

 サンは、自社のハード、OSをプラットフォームにして、パートナーの製品やサービスを組み合わせて「データセンター」「データマネジメント」「エッジ・コンピューティング」「Java Webサービス」の4分野でソリューションを構築し、企業に対して提供する。

 データセンターは企業の情報システム部門を対象にしたソリューションを提供。サンの次世代アーキテクチャ「N1」を活用して、企業システムの複雑さを解消し、メインフレームや他社のプラットフォームからサンのシステムへの移行や統合を働きかける。TCOの最適化ソリューションやERPなどのビジネスアプリケーションを適切に稼働させるためのインフラ構築ソリューションを提供し、TCOとリスクを削減するための解決策を提供するとしている。

 ソリューション・パートナーの製品やサービスをサンが検証、実証し、トレーニングなどを行うことでベスト・プラクティスを構築する。サンのデータセンター・ソリューション事業本部長 山本恭典氏は「料理に例えるならサンが食材を提供し、実証されたレシピを示すこと」と新戦略を説明した。

 データマネジメントソリューションは、複雑なストレージ環境をシンプルに再構築し、パフォーマンスが高く、止まらないシステムを実現するソリューションを提供する。エッジ・コンピューティングはWebサーバなどを対象に、アクセス増加にも耐えられる高いサービスレベルを維持できる環境の構築を支援。グリッド・コンピューティングなどのソリューションも提供する。また、Java Webサービスのソリューションでは、ネットワーク・アイデンティティの推進を通じて、さまざまな機器から安全に企業システムが利用できるようソリューションを提供する。

 実証されたソリューションをセットにして提供するというのはサン以外でも広く行われている戦略で、特に目新しさは感じられない。しかし、山本氏は「現在、ほとんどのベンダはプラットフォームからインフラ、サービス、ビジネス・アプリケーションなどすべてのソリューションを提供している。しかし、全部を包み込んでしまうためにコストが見えず、顧客が困っている」と指摘。例として「レストランでコースメニューを頼む場合、本当はデザートはいらないが、単品で注目するよりもコースのほうが安くなるので、コースを注文せざるを得ないということがある」と説明し、ほかのベンダのソリューションを批判。対してサンは「プリフィックス方式のコース。メインはこの料理、デザートはこれと自由度があり、さらにリーズナブルだ。顧客はこのようなソリューションを望んでいる」と述べた。

 山本氏は新戦略について「サンは20年間にわたり近いことをやってきた」と認めた。ただ過去の戦略や、現在の他社の戦略が「その場、その場で最新のイノベーションをソリューションに提供することが難しかった」と説明。一方で新戦略では「サンの強みであるイノベーションの要素をソリューションに折り込む」と強調した。

(垣内郁栄)

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サン・マイクロシステムズの発表資料

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