ネットワークゲートウェイがXML処理の新分野を切り開く
2003/6/12
東京エレクトロンは、XML文書の処理をアプリケーションサーバの代わりに負担することで、システム全体の性能を大幅に向上させるゲートウェイ製品「XA35 XML Accelerator」(以下、XA35)と「XS40 XML Security Gateway」(以下、XS40)の2機種を発表した。
東京エレクトロンのコンピュータ・ネットワークB.U. マーケティング・グループ 事業開発担当 松永豊氏 |
XML文書処理の中でも、XMLからHTMLなどへのフォーマット変換のために実行されるXSLT処理は非常に多用されるが、一方でXSLT処理は重い処理としてアプリケーションサーバに負担がかかりやすい。また、XML文書の暗号化や署名処理も複雑な計算を繰り返し行う必要があり、同様にアプリケーションサーバの負担になっている。
XA35はXSLT処理を高速に実行するエンジンを搭載したネットワークゲートウェイ。アプリケーションサーバとクライアントの間のネットワーク上にXA35を置いておくだけで、アプリケーションから出力されたXML文書が自動的にXA35のXSLT処理により変換されてクライアントに届く。また、アプリケーションサーバがXA35にXSLT処理を依頼し、その結果を受けとるといったことも可能。XA35は独自のXG3技術で高速にXSLT処理を実行するうえ、アプリケーションサーバからXSLT処理を省略できるため、システム全体のパフォーマンスが向上し、大量のトランザクションに対応できるようになる。
一方のXS40は、XML文書の暗号化をアプリケーションサーバの代わりに実行できるネットワークゲートウェイ。アプリケーションサーバに対して入出力されるXML文書の検証、暗号化/復号化、鍵管理などの処理を実行できるため、アプリケーションサーバの負担が軽くなる。SOAP、WS-Routingなどの最新機能もサポートする。また、XA35、XS40ともにSSLアクセラレーション機能を備えているため、この点でもアプリケーションサーバの負担を軽減できる。セキュリティ機能を独立して備えたことにより、さまざまなアプリケーションにかかわるセキュリティポリシーの設定などが統一して行えることも利点だという。
XALANとXA35の性能を比較をした |
両製品ともWebブラウザに対応したユーザーインターフェイスを備えており、リモート管理が可能。SNMPにも対応する。ゲートウェイ内部はソフトウェアで書き換えでき、最新の仕様にも対応できる。同社が実行したデモンストレーションでは、XALANで処理した場合のスピードと、XA35のスピードとを比較した場合、約7倍程度XA35が高速だった。
両製品とも米データパワー社の製品で、東京エレクトロンが国内販売する。予定価格は、XA35が980万円、XS40が1820万円。同社では、金融、証券、製造業などの電子商取引や、大規模WebサイトでのXMLによる動的コンテンツの提供などでの用途を想定している。XMLの処理をハードウェアで解決しようという製品は国内ではあまり例がなく、両製品とも新しい分野を切り開くものだといえるだろう。
(編集局 新野淳一)
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東京エレクトロンの発表資料
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