次世代開発環境が集結、SODECレポート
2003/7/11
米ボーランドの最高戦略責任者兼上級副社長 ピーター・コード氏 |
7月9日から行われている第12回 ソフトウェア開発環境展の特別セッションに登壇した米ボーランドの最高戦略責任者兼上級副社長 ピーター・コード(Peter Coad)氏は、「アジャイルプロセス −企業独自の開発手法『秘伝のレシピ』を作るには−」と題し、乱立する開発プロセスから自社独自の開発プロセスを作り出す必要性を説いた。『秘伝レシピ』の発見に関する議論は、コード氏が展開する開発プロセスについての持論であり、話が進むにつれて常に口調が熱を帯びてくる。今回も例外ではなく、壇上を縦横無尽に歩き回るほか、壇上を降りて聴講者の間を歩きながらの熱い講演となった。
議論の骨子は、Unified ProcessやFeature Driven Development、XPといった開発プロセスを構成する各要素を分解し、“ミニレシピ”を抽出、「要件定義」「設計」「構築」「テスト」などアプリケーションソフト開発の各段階において、それらを組み合わせ、自社独特の開発プロセスあるいはプロジェクトに適した開発プロセスを発見し、実践していくことが重要ということ。もちろん、これを行うためには、現在知られているさまざまな開発プロセスを知ることが必要であることは言うまでもない。
そのほか、特別セッションではIBMソフトウェアグループ ラショナルブランドサービス バイスプレジデントのウォーカー・ロイス(Walker Royce)氏が「ビジネスの視点から改善すべきソフトウェア開発」に関する講演を行った。現在のソフトウェア開発全体を管理するうえでの注意点を指摘したもので、「開発プロセスの影響力は、リリースまでの時間が長ければ長いほど増大する」とし、完成品の品質をリリースまでの時間で割った数値が、プロセスの影響度となるといった論理を展開した。
ソフトウェア開発環境展の展示場で目を引いたのは、パフォーマンス管理ツール、テストツールを紹介するベンダブースの多さだった。従来手作業で行ってきたこれらの作業を、ツールよって自動化する動きは今後さらに活発となっていくものとみられる。また、依然として、J2EE開発の要(かなめ)ともいえるコンポーネントの再利用を促進するツール紹介や開発プロセスの啓蒙といったプレゼンテーションも多くのブースで行われていた。
いずれにしてもプレゼンテーションの基調をなしていたのは、「初心者向けに分かりやすい」ことである。アプリケーション開発の自動化による効率化、コスト削減、スピードアップといったニーズを満たす製品および手法を求める来場者は多く、現在、ソフトウェア開発の現場は、大きな転換に立っているとの様子がうかがえた。
(編集局 谷古宇浩司)
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第12回
ソフトウェア開発環境展
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