管理ツールで完成するエントラストの“3A”

2003/8/2

 エントラストジャパンは、米Waveset Technologiesと提携し、Wavesetのアイデンティティ管理ソフトを国内で販売すると発表した。エントラストは日本語化したWaveset製品を自らの製品ファミリに組み込むと同時に、単体でも販売する。

エントラストジャパンの代表取締役社長ブラッド・オーモンド氏

 エントラストが販売するのはWavesetの「Waveset Lighthouse」。Lighthouseは企業にあるさまざまなシステムのアカウント情報を管理するソフト。1つのシステムでアカウント情報を更新すると、ネットワークでつながったすべてのシステムが同期され、アカウント情報が変更される。1つ1つのシステムのアカウント情報を手作業で変更するのに比べて、大きくコストを下げることができるという。Lighthouseにはほかにユーザー管理や監査、パスワード管理などを自動化する機能がある。システム別に約70のアダプタを用意することで、対応するシステムを増やすことができるという。

 エントラストはLighthouseを自社の製品ファミリに統合する。シングルサインオンの「Entrust GetAccess」、認証や電子署名を提供する「Entrust TruePass」と組み合わせることで、「“3A”による完全なセキュリティを実現する」と、エントラストジャパンの代表取締役社長ブラッド・オーモンド(Brad Almond)氏は説明した。3Aとは、認証(Authentication)、許可(Authorization)、管理(Administration)のこと。オーモンド氏は「各要素は単体でもセキュアな環境を実現するが、3Aの組み合わせがセキュリティで最も重要」と強調した。

 3Aの中で管理機能を提供するのがLighthouse。エントラストジャパンの最高技術責任者 鈴木優一氏によると、エントラストにはアカウント情報を管理できる統合的なソフトがなく、それぞれのシステムを手作業で設定する必要があったという。

 エントラストはLighthouseの日本語化を支援し、2003年末までに発売する予定。エントラストの販売代理店を通じて販売する。価格は10月に発表予定だが、すでに提供を開始している米国ではエントリモデルで10万ドルを切る価格帯になっているという。エントラストは初年度に2〜3億円の売り上げを見込んでいる。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
エントラストジャパンの発表資料
米Waveset Technologies

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