米パームが社名変更、「palmOne」でライセンス拡大狙う

2003/8/20

 米パームは今秋に社名を「palmOne」に変更すると発表した。パームは同社傘下でPalm OSを手がけるPalmSourceを今秋にも分離独立させる予定。今後はハード事業のpalmOne、OS事業のPalmSourceの2社が協力して、Palmブランドを拡大していくことになる。

 パームは6月にパーム創業者が設立したPDAベンダのハンドスプリングを買収することを明らかにした。パームはハンドスプリングの買収完了後にOS事業を分離する予定。

 パームの社名変更後もOSのブランドは「Palm」となる。だが、palmOneが製造、販売するPDAは「palmOne」のブランドになる予定。パームは来春発売する新製品からpalmOneの新しいロゴを採用すると見られる。

 パームがハード事業とOS事業を分離する狙いは、Palm OSのライセンス販売拡大だ。PalmブランドはOSのほかに社名、パームが販売するPDAにも使われていて、ライセンス販売を拡大する障害となっていた。ハードのブランドをpalmOneにし、OSだけにPalmを使うことで、ほかのハードベンダがPalm OSを使いやすくするのが狙いだ。

 PDA事業で大きな成長をしたパームだが、Palm OSを採用するベンダはなかなか広がっていない。PDA用OSでライバルとなるマイクロソフトは、ヒューレット・パッカードや富士通、NECなど有力ベンダをパートナーにしている。パームは社名変更をきっかけにPalm OSを採用するパートナーの獲得を目指す。

(垣内郁栄)

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米パームの発表資料

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