RPG/COBOLでJavaなWebアプリを作ろう、CA

2003/9/19

 コンピュータ・アソシエイツ(CA)は9月18日、IBM sServer iSeries(旧AS400)向けに特化した統合開発環境「Advantage 2E for iSeries 400 リリース8.0 日本語版」(以下、Advantage 2E)を今月26日に発売すると発表した。新バージョンの目玉はWebアプリケーション開発を支援する「Advantage 2E EJBオプション」と「Advantage 2E Webオプション」で、iSeries用にRPG/COBOLで開発した既存アプリケーションをコーディングレスでWebアプリに変換するというもの。これによってRPG/COBOL開発者へのJava教育コストが削減でき、既存のアプリケーション設計モデルの再利用により開発コストも抑えられる。iSeriesは高い顧客満足度を持つオフィスサーバ製品で、既存資産を維持したままWeb化したいという顧客ニーズに応えた製品となっている。

CAのAdvantageプロダクト・マネージャ 大沢弥氏

 EJBオプションは、Advantage 2Eを使って開発した従来のアプリケーションからコンパイル済みのEJBオブジェクトを自動生成する。これをAdvantage Joe(Advantage 2Eに同梱)を使ってWebSphereやWebLogicといったアプリケーションサーバへデプロイするという開発手順を取る。生成されるEJBは完全なJavaオブジェクトではなく、iSeries上のアプリケーションとの通信を可能とするラッパのような存在。また、生成できるのはセッションBeanのみで、エンティティBeanはサポートしない。

 エンティティBeanはEJBからデータベースを利用する機能だが、これをサポートしない点についてCAのAdvantageプロダクト・マネージャ 大沢弥氏は「データベース管理はすでにiSeriesアプリケーション側で実現できている。非常に安定している既存データベース管理をあえてJavaに移行させる必要はないだろう」と、すべてをJavaで置き換えるリスクを指摘し、「それよりもWeb環境との対話をコントロールするためにセッションBeanを活用する」という安定指向の製品コンセプトを説明した。エンティティBeanはJ2EEの主要技術ではあるが、現時点では十分なチューニングを施さないとパフォーマンスが出ないといわれている。「これが劇的に改善されないかぎりエンティティBean対応は考えていない」。

 もう1つのWebオプションは、Advantage 2Eで開発したアプリケーション以外でも使用可能。iSeries上のアプリケーションは従来、端末エミュレータから操作していたが、これを自動的にHTMLスケルトンに変換する。エミュレータ画面がそのままWebブラウザで再現されるといったイメージだ。データベース接続やページ遷移なども自動生成されるので、開発者がコーディングするのは、HTMLスケルトンに対してページデザインやScriptの埋め込みなどプレゼンテーション部分のみに軽減される。

 「既存ユーザーの80%は今回の新製品に移行するだろう」と、IMブランド ビジネス・マネージャ 末吉聡子氏は強気の販売目標を掲げた。同社による顧客調査では、8割以上のユーザーがEJB/Webオプションの導入を希望しているという。Advantage 2EはAdvantage Developerシリーズ4製品の1つで、オフィスサーバ向け。UNIX/Windowsサーバ向けの統合開発環境である「Advantage Gen」「Advantage Plex」は、来年に予定されている次期バージョンでWebサービスにも対応する予定だ。

(編集局 上島康夫)

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