[Interview]
Webサービスに対応したTPモニタの代名詞「Tuxedo」
2003/10/16
BEAシステムズのTuxedoは、高い信頼性が要求されるOLTPシステムをオープンシステムで構築する際に不可欠なソフトウェアだ。長年に渡りTPモニタの代名詞となっているこの製品は、分散環境でのトランザクション処理が広まってきた現在、地味ながらもさらにその重要性を高めている。TPモニタは、分散環境でのトランザクションの一貫性を管理し、また負荷分散処理を行う。TuxedoはこうしたTPモニタの基本的な機能の上に、CやCORBAオブジェクトによってさまざまなロジックを実装することで、より高度なミドルウェア機能を提供する製品だ。
今年の春に出荷された最新バージョンのTuxedo 8.1では、さらにWebサービスへの対応、セキュリティの強化、グローバリゼーションなどの強化が行われている。米BEAシステムズで同製品を担当するエンジニアリング・ディレクターのリッチ・リー(Rich Lee)氏に、Tuxedoの進化について聞いた。
――TuxedoのWebサービスへの対応とはどういうことか。
米BEAシステムズで同製品を担当するエンジニアリング・ディレクターのリッチ・リー氏 |
リー氏 Tuxedoの最新バージョンでは、WebLogic Serverとの統合が強化されている。そして、WebLogic Server対応の開発ツールであるWebLogic Workshop上で、TuxedoがWebサービス対応のコンポーネントとして扱えるようになった、ということだ。開発者は、Tuxedoのアイコンを1つのデータソースとして扱い、さまざまなロジックと結びつけることが可能だ。また、XMLのサポートも強化した。XMLスキーマに対応し、XMLパーサであるXercesを取り込んでXMLデータのバリデートなどが実現されている。
――オラクルがグリッド対応のデータベースを発表するなど、データベース側はTPモニタとは別の手段でトランザクションのスケーラビリティや信頼性をあげていこうとしているように見える。こうした技術とTPモニタの機能とは共存するものなのか?
リー氏 共存するはずだ。オラクルではOracle9iで高度なクラスタ技術などを備えているが、Tuxedoのメッセージング機能/トランザクション管理機能はそうしたものとも共存しており、今後もその関係は変わらないだろう。
――最新バージョンでは、非接続クライアントのサポートが行われる。
リー氏 いわゆるモバイル環境のサポートだ。クライアントとのメッセージングをキューイングすることで、実現する。メッセージングにはさまざまな属性があり、信頼性のレベルをコントロールできる。モバイルもそうした中でサポートされる。
――Tuxedoのメッセージング機能で、SOAPのメッセージングの信頼性を向上させるといった仕組みは持たないのか。
リー氏 具体的にそういった予定は持っていない。SOAPの対応についてはWebLogic側のプロトコルスタックで対応することになるだろう。
(編集局 新野淳一)
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