XML完全準拠の仮想データベースで情報を使い倒せ

2003/8/21

BEA Liquid Data for WebLogic 8.1(クリックすると拡大)

 日本BEAシステムズは8月20日、企業内システムの統合を促進する情報アクセス・統合ソフトウェアの新製品「BEA Liquid Data for WebLogic 8.1」を発表した。XML技術を用いて複数のデータソースから単一の仮想的なデータベースを構築、リアルタイムな情報アクセスと共有化を可能にする製品。

 前バージョンとの違いは、同社の主力製品であるWebアプリケーションサーバの最新バージョン「WebLogic Platform8.1J」に対応し、統合開発環境である「BEA WebLogic Workshop 8.1」上でデータ統合システムをビジュアルに開発できる点など。同社が掲げるコンセプト「コンバージェンス」を具現化する製品であり、日本BEAシステムズ チーフ テクニカル ストラテジスト 伊藤敬氏は「BEAがやりたかったのはまさにこれ」と胸を張る。

 基幹システムの統合という側面において、多様なフォーマットで格納された情報を統合して利用したいとする企業側のニーズは高い。特に金融業界では、「新たな金融商品を作り出すために、既存のデータを再利用することが多い」(伊藤氏)とし、メタレベルで情報を管理、活用できるツールが求められていた。もっとも、これまで分散したデータを統合する方法がなかったわけではない。多くの場合、統合ルールを決め、そのルールをSQL文で書き、Javaコードに埋め込んで検索を行う仕組みを作るという、生産性の面ではかなり厳しい方法が主流だった。

日本BEAシステムズ システム技術部 シニア・システムズ・エンジニア 池田俊彦氏

 同社では、開発作業の簡素化を、プログラミングを極力排除することに求めた。「サーバサイドでここまでビジュアルな開発ができるのは、他社の開発環境では考えられない」と同社 システム技術部 シニア・システムズ・エンジニア 池田俊彦氏は言う。実際、クエリおよびデータビューの定義で利用する「Data View Builder」と、定義したビューを再利用可能なソフトウェア・コンポーネントとして呼び出すWebLogic Workshopのいずれの場面でも、ほぼプログラミングレスの開発工程を実現している。ただし、ビュー定義作業などの設計情報をドキュメントとして保存しておく機能は現段階ではないようだ。

 競合製品として日本IBMの「DB2 Information Integrator」がある。両製品の差別化点について、日本BEAシステムズでは「DB2 Information Integratorはデータベースサイドのアプローチから開発された製品だが、Liquid Dataはアプリケーション・サーバを起点として開発した製品で、別物」(同社)としている。

(編集局 谷古宇浩司)

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