「SLAがメトロ系サービスの公式になる」、シスコ

2004/1/30

 シスコシステムズはメトロイーサネット向けアクセススイッチの新製品「Cisco Catalyst 3750 Metro」を2月に発売すると発表した。シスコの市場開発 執行役員 山中理恵氏はメトロネットワークとアクセス回線がイーサネットベースに移行している現状を説明し、「単にハイスピードのイーサネットを提供するだけでなく、洗練されたQoSを使ってSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)を提供するのが間違いなく今後のメトロ系サービスの公式になる」と述べ、SLAの提供が製品戦略の鍵になるとの考えを示した。

シスコシステムズ 市場開発 執行役員 山中理恵氏

 山中氏はキャリアやサービスプロバイダなどのトレンドとして、「広域イーサネットで帯域を増やし、幅広いアプリケーションを提供する方向」と説明。特にデータやボイス、ビデオなどのアプリケーションを統合し、1つの回線で提供するIPコンバージェンスが進んでいるとの認識を示した。山中氏は「ベンダはそこでいかにSLAを提供できるかが、問われている」と強調した。

 シスコが発表したCisco Catalyst 3750 Metroは広域イーサネット、IP-VPNをターゲットにしたアクセススイッチ。802.1Qトンネリング、VLANマッピング、MPLS、Ethernet over MPLS(EoMPLS)、電源の冗長化などが特徴。レイヤ2、レイヤ3、MPLSベースのVPNで、SLA付きのサービスが提供できるようになる。必要に応じてソフトをインストールし、機能を追加可能。価格は127万9000円から。

 シスコはほかにもメトロイーサネット関連の製品を発表した。「Cisco 7600」「Cisco Catalyst 6500」用の新モジュールでは、ハードウェアベースでMPLS、EoMPLSを処理し、レイヤ2、レイヤ3のVPNサービスを提供可能にする「Supervisor Engine 720-3BXL」を発表した。ギガビットイーサネットのインターフェイスを48ポート搭載し、40Gbpsでスイッチファブリックに接続できる「48ポート ミックスメディア ギガビット イーサネット モジュール」も発売。ほかに、ダークファイバで構築した10Gリング上でTDM、データ、WDMのサービスを同時に提供できるようにする「Cisco ONS15454」シリーズ用モジュール「MLシリーズ」も発表した。各製品は2月から順次出荷される。

(編集局 垣内郁栄)

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