「64ビット機能拡張の話は別の機会に」、インテル
2004/3/4
インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム マーケティング部 プロダクトマネージャ廣田洋一氏 |
インテルは3月3日、Xeonプロセッサ MPの新製品を発表した。同製品は3GHzのクロック周波数と4MBのL3キャッシュ・サイズを実現、現行の32ビットシステムとドロップインでの互換性を保つ。
インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム マーケティング部 プロダクトマネージャ廣田洋一氏によると、今回のXeonプロセッサ
MPの新製品が目指すのは「投資保護」だ。「2年前に発表したXeonプロセッサ MPプラットフォームのシステムに対する投資を無駄にすることなく、プロセッサを交換するだけで、2倍以上の性能向上を図ることが可能」だと主張する。
なお、今回の記者発表では、Xeonの64ビット機能拡張に関する内容はいっさい明らかにされなかった。Xeonそのもののロードマップについては2月に米国で行われたIntel Developer Forum(IDF)で発表され、その際、64ビット機能拡張についての補足説明が行われたのは記憶に新しい。
同社の解説では、XeonとItaniumと位置付けについてあらためて「XeonがIA-32環境の置き換え、ItaniumがRISC系システムの置き換えを狙う」(同社 エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 本部長 町田栄作氏)ということを強調した。具体的には、XeonがワークグループやWebサーバ、IA-32アプリケーションに向けてパフォーマンスを最適化しているのに対し、Itaniumは大規模エンタープライズ、データベース、科学技術計算に向けて最適化されている点、また物理アドレスに関して、Xeonが最高1テラバイトの物理メモリをサポートしているのに対し、Itaniumは最高1ペタの物理メモリをサポートし、大規模SMPおよびデータ・セットに十分なキャパシティを有している点などである。
しかし、このような製品ごとの差別化も、64ビットコンピューティング環境へ一気に切り替わるともくろんだ同社の思惑が外れたことで修正を余儀なくされたとみるのが妥当だろう。そして、インテルが出した修正案であるXeonの64ビット機能拡張技術は、同社の製品戦略に対し、市場から疑問符が投げかけられる結果を導き出したのだった。XeonとItaniumを巡る攻防はまだ続きそうだ。
(編集局 谷古宇浩司)
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