「日本のCRMは3〜4年遅れている」、セールスフォース
2004/4/27
米セールスフォース・ドットコムのワールドワイド・オペレーション担当社長 ジム・スティール氏 |
米セールスフォース・ドットコムのワールドワイド・オペレーション担当社長 ジム・スティール(Jim Steele)氏は、同社が4月26日に開催したユーザー企業向けのイベントで講演し、「セールスフォースのオンデマンドCRMは、ユーザー数が少ない中小規模の企業でも大手企業が採用するのと同じ技術を利用できる」と述べ、中小規模企業でのメリットを強調した。日本市場については日本法人設立後に400社、6000人のユーザーを獲得したことを明らかにした。
スティール氏はCRMやSFAの課題として、「レガシーCRMのシステムコストが増大している」と指摘した。従来のCRMではサービスを社内展開するのにユーザー1人当たりに1万5000〜2万ドルがかかると説明。特に日本では自社製のCRMを使うケースが多いとして「日本では米国以上にCRMのコストがかかっている」と述べた。「日本は米国の3〜4年は遅れている」というのがスティール氏の考えだ。
スティール氏は従来のCRMが抱える問題としてさらに、新規のCRM導入に反発するエンドユーザーの姿勢や複雑性を増す社内システムの非効率性、選任のスタッフでないとサポートできない専門性の高さなどを指摘した。そのうえで「これらの課題を解決するベストの方法はオンデマンドのCRMだ」と結論付けた。
スティール氏はセールスフォース・ドットコムが提供するASP型のCRMについて「ユーザーは人、プロセス、ツールの3つで成功する」と述べた。スティール氏によると、従来のCRMでは導入に1年かかり、IT投資に関する損益分岐点は27カ月後だった。しかし、セールスフォース・ドットコムでは導入期間は6カ月、運用開始後6カ月でIT投資の損益分岐点を越えるという。
セールスフォース・ドットコムはCRMの新バージョン「Salesforce.com Spring '04」を正式に発表した。Spring '04はプログラミングの知識がなくてもCRMの設計やカスタマイズをできる「Salesforce.com Studio」を新たに追加。「従来のクライアント/サーバ型CRMソフトウェアよりもはるかに高度なカスタマイズが可能になった」というのが新バージョンの売りだ。
(編集局 垣内郁栄)
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