[VERITAS VISION 2004開催]
「.NETとの相互接続性が重要」、サンCTOの姿勢が変化
2004/5/11
米サン・マイクロシステムズのエグゼクティブ・バイスプレジデントでCTOを務めるグレッグ・パパドペロス(Greg Papadopoulos)氏は5月6日、米国ラスベガスで開催された「VERITAS VISION 2004」で講演し、次世代のネットワーク・コンピューティングについて「スケーラブルなネットワークを構築するにはネットワークを構成するコンポーネントを適切に組み合わせるアーキテクチャが重要」と述べ、「Javaプラットフォームとマイクロソフトの.NETプラットフォームのインターオペラビリティが特に重要になる」との考えを示した。
米サン・マイクロシステムズのエグゼクティブ・バイスプレジデントでCTOのグレッグ・パパドペロス氏 |
従来、サン幹部はJavaプラットフォームに対立する.NETプラットフォームに攻撃的だった。パパドペロス氏の発言からは今年4月のサンとマイクロソフトとの提携後、サン社内の空気が確実に変化していることを印象付けた。パパドペロス氏はJavaと.NETの相互接続性を実現する技術としてXMLが最適と指摘した。
パパドペロス氏はネットワーク・コンピューティングの今後について、コア部分からネットワークのアーキテクチャを構成するのではなく、エッジのデバイスの役割が重要になると述べた。RFIDやセンサ、携帯電話などネットワークに接続するデバイスが増えることで、その各デバイスに合わせたネットワークのアーキテクチャが重要になるとの考えだ。デバイスからアーキテクチャを考えることで「ネットワークをさかさまにできる」と説明した。
従来のネットワークをさかさまにしたアーキテクチャが構築された場合、企業情報システムが果たす役割は何になるのか。パパドペロス氏は「ネットワークはもっと分散する。データセンターの役割はバラバラのコンピュータやデバイスを仮想的に結びつけることだ」と述べた。サンをはじめベリタスソフトウェアなど各社が提唱するユーティリティ・コンピューティングは、分散しているネットワークのコンポーネントを仮想的に結びつけ、スケーラビリティ、可用性を生み出すことになる。
エッジに置かれたデバイスがネットワークのアーキテクチャを規定するシステムでは、各ベンダを差別化する要因は「ネットワークの上のレイヤであるアプリケーションやサービスの部分になる」とパパドペロス氏は述べた。「自動車ではエンジンなど基本のアーキテクチャは同じでも内装や備えている機能などで差別化している。コンピュータでも同じだ」。サンがベリタスと協力するストレージにおいても「Storage as a Service」(サービスとしてのストレージ)が重要となり、サンが提唱する「N1」などユーティリティ化されたストレージのアーキテキチャを基本としたうえでの付加価値サービスを、各ベンダが競うことになる。
(編集局 垣内郁栄)
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