ビジネス市場への切り札“Breeze”、マクロメディア

2004/5/19

 マクロメディアは5月18日、FlashをベースにしたWebコミュニケーションツール「Macromedia Breeze」(以下、Breeze)を発表した。同製品について同社 CTO 田中章雄氏は「マクロメディアはこれまでプロフェッショナル向けのツールを提供してきたが、Breezeはそうではない。一般のビジネスユーザーに向けた誰でも使えるツール。ビジネスユーザーの生産性を向上するものだ」と語り、マクロメディアにとって新しいマーケットへのチャレンジとなる製品であることを示した。

Web会議の機能のデモ。双方の顔を写しながら、PowerPointの資料のアップデートを行っている

 Breezeは、Microsoft PowerPointで作成したファイルをFlashデータにコンバートすることで「Web会議」「Webプレゼンテーション」「Webトレーニング」の3つの機能を実現する。これらの3機能を利用するためにクライアントに必要なのは、WebブラウザとFlash Playerのみだ。

 「Web会議」は、Webブラウザを使った会議を可能にする機能だ。ホワイトボードを利用して相手の顔を見ながら会議を行える。スクリーンを共有するだけでなくMicrosoft Excelなどのアプリケーションを共有し、互いに編集することが可能。会議を録画することもできる。「Webプレゼンテーション」はPowerPointコンテンツをもとにナレーションとスライドが同期したFlashムービーを作成し、Webブラウザでの閲覧を可能にするもの。ユーザーは必要なときにいつでもプレゼンテーションを閲覧することが可能だ。オーサリングツールはPowerPointのプラグインとして提供される手軽なもので、PowerPointのアニメーションに同期したきめ細かなナレーションの挿入も可能にしている。PowerPointを利用して作成したeラーニング教材をFlash形式で配信できるのが「Webトレーニング」だ。コンテンツ中にユーザーの回答項目を付け、その結果を集計してトレーニングの効果を計ることが可能だ。

トレーニングのトラッキングを管理している画面のデモ。Breezeのコンテンツ管理機能はFlash Communication Serverの機能がベースとなっている

 Breezeの機能には既存の電子会議システムやeラーニングツールと比べて目新しいものはない。しかし田中氏は「Breezeは“いますぐ情報共有が必要”“いますぐラーニングが必要”といういま最も多いニーズに応える製品」とメリットを強調し、米国ではすでに多くの事例があると紹介した。とくに3Dベンダ「3DLabs」では、トレーニングコンテンツの作成からトレーニングの実行までをわずか2日間で行い、7000名以上の社員とパートナーの教育に90%以上の理解率を得たという。

 また、eラーニング業界におけるBreezeのメリットとして、田中氏は「簡単に、すぐにコンテンツを作成できることによって、eラーニング業界のコンテンツ不足を解消できる」と加えた。

 Breezeは、ホスティングサービスとサーバライセンスの両方で提供される。ホスティングサービスの開始は6月8日、サーバライセンスの出荷開始は7月5日を予定している。

(ナレッジリンク 宮下知起)

[関連リンク]
マクロメディア

[関連記事]
プログラマの聖域にWebデザイナを送り込むColdFusion (@ITNews)
持ち札は“RoyaleストレートFlash”、マクロメディア (@ITNews)
デザインセンスとコーディングセンスの融合、マクロメディア (@ITNews)
マクロメディア、買収から1年越しで新ColdFusionを発表 (@ITNews)
マクロメディアDirectorの新版、サーバ接続機能も統合へ (@ITNews)
ColdFusionとUltraDeveloperを統合化、マクロメディア (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)