1200ページの日本語マニュアルが付属するSUSE LINUX

2004/6/25

ノベルのマーケティング本部 プロダクトプランニンググループ 飯田敏樹氏

 ノベルはクライアントPC向けのLinux OS「Novell SUSE LINUX Professional 9.1 日本語版」を7月8日に発売すると6月24日に発表した。KDE 3.2.1とGNOME 2.4の2つのデスクトップ環境を標準で搭載する。ノベルのマーケティング本部 プロダクトプランニンググループ 飯田敏樹氏は「570ページのユーザーガイドと690ページのアドミニストレーションガイドが付属する」と説明し、コンシューマユーザーに対する手厚いサポートを売りにする考えを示した。

 Novell SUSE LINUX Professional 9.1 日本語版はKernel 2.6がベース。クライアントPC向けのLinuxとして初めて32/64ビット互換プロセッサのAMD Athlon 64とIntel Extended Memory 64 Technologyに対応した。自宅でWebサーバを立ち上げたり、ソフトウェアを開発するパワーユーザー向けの製品で、Webサーバソフトやデータベースなどのアプリケーションを搭載。Samba 3.0やOpenOffice.org、画像編集ソフト、マルチメディア関連のソフトもある。

 SUSE LINUXはシステム管理ツールの「YaST」を搭載。メニューを選ぶだけでハードやソフト、ネットワークの設定、アプリケーションのインストール、パッチのアップデートなどが可能。「Windowsのコントロールパネルと同じ感覚で利用できる」(飯田氏)という。

Novell SUSE LINUX Professional 9.1 日本語版のKDE 3.2.1のデスクトップ環境(クリックで拡大します)

 製品のサポートはノベル日本法人が提供する。インストールやネットワークトラブルについて、製品導入後90日間に限り電子メールで相談を受け付ける。さらに570ページのユーザーガイドと690ページのアドミニストレーションガイドが付属する。

 SUSE LINUXは搭載する日本語環境によって「プレミアム版」と「ベーシック版」がある。プレミアム版は日本語入力ツールとして「ATOK X for Linux」が付属。リコーTrueTypeフォントも13書体搭載し、「Microsoft Officeで作成された文書をOpenOffice.orgで完全に同書体で表現できる」という。さらにエプソンやキヤノンなどのプリンタドライバを同梱し、日本語の印刷環境に対応。PDF表示ソフトのXpdfも日本語に対応する。ベーシック版は、プレミアム版からATOK X for LinuxとリコーTrueTypeフォントを除いた構成。ユーザーガイドなどの日本語マニュアルも冊子ではなく、PDFのオンラインマニュアルになる。

 価格はオープン価格。ノベルの推定価格(税抜き)はプレミアム版が1万9800円、ベーシック版が1万2800円。初年度に1万本の出荷を目指す。

(編集局 垣内郁栄)

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