iモードを育てた技術屋はボーダフォンを浮上させられるか
2004/8/17
12月1日付でボーダフォンの代表執行役社長兼CEOに就任する津田志郎氏(左)と同社 取締役会議長 J.ブライアン・クラーク氏 |
ボーダフォンは8月16日、NTTドコモ前副社長の津田志郎氏を12月1日付で代表執行役社長兼CEOに任命する人事を発表した。ボーダフォンは7月末の加入者数が初めて純減するなど苦境に陥っている。津田氏は「いまは2Gのハンドセットから3Gのハンドセットへの切り替えの転換点で、(キャリアが)どちらのハンドセットに力を入れていいのか分からなくなっている」と述べ、通信規格の切り替えがボーダフォンの戦略の混乱につながり、ユーザーの支持を低下させているとの認識を示した。津田氏は「これらの課題はいくつかの施策で改善できる」と述べ、巻き返しに自信を見せた。
津田氏は8月16日付で持ち株会社ボーダフォンホールディングスとボーダフォンの執行役に就任。両社が10月に合併した後の12月1日にボーダフォンの代表執行役社長兼CEOに就任する。津田氏はNTTドコモ設立時から移動通信技術を担当。1999年開始のiモードサービスや2001年10月の3Gサービス開始で中心的な役割を果たした。2001年11月にNTTドコモの代表取締役副社長に就任。次期社長候補ともいわれたが、今年6月にNTTドコモ子会社のドコモエンジニアリング代表取締役社長に就任していた。
津田氏は発表会見の冒頭、「ボーダフォンの津田に生まれ変わりました」と宣言。そのうえで「経営者にはバランスが大事だが、移動通信市場はテクノロジを無視しては難しい。技術の推移を把握し、経営する必要がある。私は技術出身で恵まれている面がある」と述べ、NTTドコモ新社長で事務系出身の中村維夫氏との違いを強調した。津田氏は「ボーダフォンに入ることで移動通信市場の活性化に貢献できる。NTTドコモ子会社と同等以上の貢献ができる」と述べ、ボーダフォン社長への意気込みを語った。津田氏は12月1日の社長就任まで執行役としてボーダフォングループの戦略を学び、ボーダフォンの国内事業の問題点を洗い出す方針だ。
(編集局 垣内郁栄)
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ボーダフォンホールディングスの発表資料
ボーダフォン
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