あくまでNTTを倒しに掛かるソフトバンク、次の標的は固定電話
2004/9/1
ソフトバンク・グループの日本テレコムは独自通信網による固定電話サービス「おとくライン」を12月1日に開始すると発表した。独自通信網を使うことで電話の基本料金をNTT東、西日本の基本料金と比較して約200円安い価格に設定した。
ソフトバンク・グループ代表、日本テレコムの取締役会議長を務める孫正義氏 |
ソフトバンク・グループ代表で、日本テレコムの取締役会議長を務める孫正義氏は「これまでNTT東西が独占していた固定電話の巨大な基本料金市場が、初めて競争市場に乗ることになる」と述べ、NTTにあらためて“宣戦布告”した。
これまで、日本テレコムなどの新電電が電話サービスを展開する場合、NTT東西の局舎内の交換機を利用していた。そのため、ユーザーはNTT東西に基本料金を支払う必要があり、新電電側は電話サービスの割安さを打ち出しにくかった。おとくラインでは、NTT局舎内に日本テレコムが独自に交換機を設置。さらにNTT局舎間を日本テレコムの自前の通信網で接続することでNTT東西に依存しないネットワークを構築する。NTT局舎内の交換機とユーザー宅とは、日本テレコムがNTT東西から有料で借りるタイプ2メタル回線(ドライ・カッパー)で接続する。
おとくラインの基本料金は、NTT東西の基本料金よりも約200円安い、1627円(住宅向け、都市部)に設定する。NTT東西から日本テレコムに移行しても、ユーザーは同じ電話番号をそのまま利用できる。新規電話加入権や移転の際の工事費用は日本テレコムが負担するが、ユーザーは5年間にわたり月額105円を工事費として別途支払う。その分を考慮してNTT東西の基本料金と比較すると、実質的に約100円分だけ低価格ということになる。
日本テレコムは「おとくライン」の販売キャンペーンを実施する。例えば登録した3つの電話暗号への通話料が1年間無料、特定時間帯の通話料金は9割引、プッシュ電話、ダイヤルインなどの付加サービスを3カ月無料にする。おとくラインの提供範囲は、12月開始当初は全国の1000局。2005年中に3500局舎まで拡大する計画で、人口カバー率94%を目指す。
個人、法人とも販売するが、孫氏は「安定した固定電話網は個人よりも法人にニーズがあるとみている」と話し、法人向け販売に力を入れていく考えを明らかにした。
(編集局 富嶋典子)
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日本テレコムの発表資料
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