全国2万5000カ所の郵便局でもWindows XP SP2を無償配布、MS

2004/9/2

マイクロソフトの代表執行役社長 マイケル・ローディング氏

 マイクロソフトは9月1日、Windows XP SP2 セキュリティ強化機能搭載(以下SP2)のダウンロード無償提供を9月2日から開始すると発表した。SP2の特徴は大きく4つのカテゴリにおけるセキュリティ機能の強化にある。すなわち「ネットワーク保護機能の強化」「安全なブラウジング」「安全な電子メール」「メモリ保護機能の強化」などで、コンピュータ・ウイルスやワームおよび悪意のあるハッカーによる攻撃への耐性を高める仕組みを組み込んだ(なお、機能の詳細については下記関連記事参照)。マイクロソフトの代表執行役社長 マイケル・ローディング(Michael Rawding)氏は「今後(マイクロソフトが)リリースする製品のセキュリティ機能はSP2を基盤に開発されることになる」と話した。

 SP2のリリースについては、(SP2との)既存アプリケーションとの互換性問題が指摘されている。特に企業の管理者にとっては、SP2の互換性が確認できるまでSP2の適用を延期したいと考えるのが自然で、英語版では企業におけるSP2の自動更新を最大で4カ月間延期させるツールを公開している。このことは日本語環境でも同様の問題だということで、同社では日本語版の自動更新機能の延期ツールも同時に公開する。しかし、既存アプリケーションとの互換問題以外にも、一部ではシステムが突然再起動するといった深刻な症状も報告されている。ハードウェア/ソフトウェアベンダとの互換性に関する調整についてローディング氏は「きちんとコミュニケーションをとっている」とするが、個別の対応については各ベンダ次第であることに変わりはないようだ。

 SP2の配布方法は複数ある。9月2日に「Windows Update」「ダウンロードセンター」でダウンロードが可能なほか、9月29日からはWindowsの自動更新機能が使用可能になる。また、10月1日からは全国の郵便局約2万5000カ所でも配布(冊子付き)する。パソコン販売店約2500店舗では9月17日から配布、また雑誌の付録やハードウェアへのプリインストール、パッケージ販売といった従来の配布方法も随時行われる。

 SP2については確かにさまざまな問題が指摘されてはいるのだが、OSベースでセキュアな環境を構築するという同社のポリシーが間違っているわけではない。SP2に組み込まれたそれぞれのセキュリティ機能は、開発作業に大量のエンジニアを投入することで、次期OS「Longhorn」のリリース次期を2006年にずれ込ませる遠因の1つになっているほど、同社が注力するプロジェクトであることに変わりはない。

(編集局 谷古宇浩司)

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マイクロソフト
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