競争激化のネット調査市場、バルクが新サービスを投入

2004/9/10

 インターネットを使ったマーケティングリサーチを手がけるバルクは、Webサイト上で簡単にアンケートを作成し、リサーチができるASP型の新サービス「SPRIO」を9月10日に始めると発表した。ASP型のインターネットリサーチのサービスはすでに他社が開始しているが、バルクの代表取締役社長 村松澄夫氏は、SPRIOが回答によって質問を変える条件分岐の機能を備えていることなどから「プロが使えるリサーチ」とアピールしている。

バルク 代表取締役社長 村松澄夫氏

 SPRIOは、バルクのWebサイトにアクセスし、Webサイト上でアンケートを作成する仕組み。アンケート作成は過去に実施したアンケートのテンプレートを適用することもでき、初めてのユーザーでも簡単だという。アンケートを作成したらWebサイト上で見積り額を確認し、発注する。バルク側でアンケートの整合性や言葉遣いをチェックし、リサーチを実施する。リサーチの対象となるのはバルクが抱える17万人のモニター。Webサイトの来訪者など顧客が抱えるモニターに対してアンケートを行うこともできる。アンケート終了後24時間以内にバルクがレポートを作成する。ユーザーはWebサイト上でレポートを確認する。複数のモニターの属性を組み合わせて立体的にアンケート結果を分析するクロス集計も可能。レポートを基に追加のリサーチを行ったり、面接して聞き取り調査をするグループインタビューもできるという。

「SPRIO」のアンケート作成画面。設問をフローチャートで管理できる(クリックで拡大します)

 価格は設定する設問数とサンプル数によって変わる。300人に対して20問の質問を行った場合の参考価格は25万円。最低価格は100人に対して10問の質問を行う場合の5万円となっている。バルクでは「後発ということもあり、他社と比べて安めにした」としている。バルクでは初年度に3億円の売り上げを目指している。

 手軽に実施でき、数日で結果を入手できる点が受けて、インターネット調査の市場は急成長している。業界団体のインターネットリサーチ研究会によると、インターネット調査の2003年度の市場規模は前年度比50%増の約120億円。2004年度はさらにその2倍の240億円規模まで市場が拡大すると見ている。市場拡大とともに調査会社間の競争の激化も予想される。バルクでは熟年層や家族単位などこれまでのインターネット調査では抜け落ちていたモニター層を用意し、競争に打ち勝つ考えだ。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
バルク

[関連記事]
アッカの個人情報流出は33万人分、流出ルートは不明 (@ITNews)
お粗末! 日本企業のディザスタ・リカバリ対策 (@ITNews)
ガートナー調査で崩れた"CIO幻想" (@ITNews)
BIGLOBEで企業のマーケ支援、NECの狙いは (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)