「一太郎」の製造・販売を禁止、松下電器の特許権を侵害

2005/2/2

 ジャストシステムのワープロソフトウェア「一太郎」とグラフィックスソフトウェア「花子」に自社の特許技術が無断で利用されているとして松下電器産業が販売差し止めなどを求めていた訴訟で、東京地裁は2月1日、松下電器の請求を認めてジャストシステムに一太郎、花子の製造・販売の中止と、製品の廃棄を命じた。特許権に関してソフトウェア製品の製造・販売の中止が命じられるのは異例。ジャストシステムは控訴する方針。

 問題となった特許技術は、ソフトウェアの操作に関する技術。松下電器によると「操作方法のヘルプ機能に関する表示技術」で、松下が1998年に特許を取得していた。松下電器は、ジャストシステムが同様の技術を一太郎、花子に採用していると問題視。2004年8月に提訴していた。

 判決ではジャストシステムの特許権侵害が認められたが、ジャストは控訴する方針で、一太郎、花子の製造・販売がすぐに中止されることはなさそうだ。ジャストシステムは一太郎の最新バージョンを当初の予定通り2月10日に発売するとしている。

(@IT 垣内郁栄)

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