ベンダ8社が新組織、ユーザー企業に“裏技”を公開

2005/3/2

 アイティーマネージやエムエム総研、EDSジャパンなど8社はユーザー企業のIT活用を支援するための新組織「ITマネジメントイニシアティブ」を4月1日に設立すると発表した。企業の情報システム部スタッフなどを対象としたIT活用のためのポータルサイトを4月に開設し、活動の中心とする。

アイティーマネージ 代表取締役副社長 兼 CSO 谷本勲氏

 イニシアティブの会長に就任する予定のアイティーマネージ 代表取締役副社長 兼 CSO 谷本勲氏はユーザー企業のIT活用における問題点について、「経営とITを結ぶファンクションが機能していないのが問題」と指摘。イニシアティブでは経営とITの両面に詳しいITマネージャの育成に力を入れると説明した。「よりよい製品、サービスを選定できる目を養う」。

 開設するポータルサイト「ITMan」は「既存のWebサイトにはないユーザー企業側の視点から情報を提供する」(谷本氏)。具体的には製品選別のポイントに関する情報や、RFPの作成法など「ベンダだけが持つ“裏技”」を公開する予定。開設時に掲載するコンテンツとしては、「なぜ、ITコンサルタントは必要か」「IT運用の歴史」「マルチベンダの落とし穴」などを用意している。将来的にはユーザー企業同士が意見交換するコミュニティの機能も持たせる考えだ。

 コンテンツを用意するのは主にイニシアティブの正会員。イニシアティブへの入会条件には「入会時に渡されたテーマに合わせて、ポータルサイト用コンテンツを提供してくれること」とある。正会員になるとITManのコンテンツから参加各社のWebサイトにリンクが設定される。各社の製品、サービスの紹介も行う。ITManのコンテンツを見た読者からの問い合わせに対して、正会員企業を紹介することもある。正会員になるには入会金3万円と月額3万円の会費が必要。初年度に60社の参加を見込んでいる。

 谷本氏はイニシアティブについて「参加する事業者すべてが結果を残せる仕組みづくり」と述べ、「単なる慈善事業、自己満足ではない新しいビジネスモデルを創造する」と目的を説明した。ユーザー企業に対して有益なコンテンツを提供し、ユーザー企業との良好な関係づくりを狙う。谷本氏は、「ユーザーの目を養うことで、よい製品、サービスであれば選ばれる」とも語り、イニシアティブの設立がベンダ、ユーザーの双方にメリットがあることを強調した。


(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
ITMan プレオープンサイト

[関連記事]
ユーザーに泣かされないITコンサルになるには (@ITNews)
ERPはユーザー企業主導にシフトするか (@ITNews)
「SIerはコバンザメ」、新日鉄ソリューションズ会長が大批判 (@ITNews)
日本のシステム開発が抱える構造問題 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)