スパム処理で1年のうち2日間が無駄に、シマンテックが調査

2005/3/3

 シマンテックとインフォプラントが行った調査で、インターネットを家庭で利用しているユーザーのスパムメールを処理する時間が、1日当たり平均で7.78分になることが分かった。年間に換算すると47時間で、1年で2日間をスパム処理に費やしていることになる。シマンテックの執行役員副社長 コンシューマ事業統括 齋藤秀明氏は調査について「ウイルス以外の脅威を認識する人が増えてきたことがわかった。しかし、十分な対策を採っている人はそれほどいない」と述べ、有効な対策の実施を訴えた。

シマンテックの執行役員副社長 コンシューマ事業統括 齋藤秀明氏

 調査は2005年1月中旬にWebサイトで実施。全国の15歳以上の男女で、インターネットを3年以上利用しているユーザー1100人に対して行った。別にインターネットの利用が1年未満の男女100人に対しても実施した。

 スパムメールは96.4%のユーザーが受信していた。フリーメール、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のユーザーとも高い確率でスパムメールを受信。1日に1通以上のスパムメールを受け取っているのは、ISPアドレスで55.2%、フリーメールアドレスで60%。1日10通以上のスパムメールを受信しているユーザーもISPアドレスで18.4%、フリーメールアドレスで19.7%いて、問題の深刻さを伝える。

 特に1日に10通以上のスパムを受け取っているユーザーは男性の50代、60代に多く、インフォプラントでは「スパムメールの回避先についての知識に乏しい中高年層が大量のスパムメールを受け取っている可能性がある」と分析している。

 スパムメールを処理する時間の平均は1日当たり7.78分。男女とも50代以上の層で処理時間が長くなっている。1日に20通以上のスパムメールを受け取っているユーザーでは、1日に20分以上も処理に費やしているケースもあるという。

 スパムメールの処理方法を間違うとスパムメールをさらに増やすことになりかねない。調査によると、スパムメールを受け取った際の行動で「メールに書かれたURLにアクセスして拒否手続きを行う」と答えたユーザーが13.8%いた。「拒否の方はこちらなど」の指示に従って特定のあて先に電子メールを送信するユーザーも11.7%いた。

 これらの処理はスパムの送信者側に自らの電子メールアドレスを教えてしまう行為で、場合によっては受信するスパムメールを増やしてしまうことになりかねない。インターネットの利用が1年未満のユーザーでは、28%のユーザーが、スパムメール内のURLにアクセスして拒否手続きを行うとしていて、不適切な処理となっている。

 スパムメールの回避方法では、内容を確認した後に手動で削除するユーザーが最も多く、50.5%。電子メールクライアントのフィルタ機能を利用するユーザーが24.8%、ISPが提供するフィルタリングサービスの利用が21.1%などとなっている。26.1%のユーザーは「何もしていない」と答えているが、インフォプラントでは「フィルタなど何らかの回避方法を利用する比率は2004年1月の調査から上昇している」と述べている。

(@IT 垣内郁栄)

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