Mac譲りの使いやすさ、EMC Dantzが新バックアップソフト
2005/4/15
米EMCは中小規模企業向けのバックアップ/リカバリソフトウェア「EMC Dantz Retrospect 7 Windows版」(以下、レトロスペクト)の出荷を開始したと4月14日に発表した。レトロスペクトはEMCが2004年10月に買収した旧Dantz Developmentの製品。Dantzの製品はマッキントッシュでの利用が多く、EMCではマッキントッシュ譲りの使いやすさが特徴としている。
米EMCのEMC Dantz ワールドワイド・セールス&マーケティング担当副社長 ヴィクトリア・グレイ氏 |
EMCが同じく買収したレガートのバックアップ/リカバリソフトウェア「Legate Networker」がエンタープライズを対象にしているのに対して、レトロスペクトが対象とするのは、中小規模企業、支社、SOHOのファイルサーバ。Exchange ServerやSQL Serverのバックアップ/リストアも可能。
米EMCのEMC Dantz ワールドワイド・セールス&マーケティング担当副社長 ヴィクトリア・グレイ(Victoria Grey)氏は「ギガからテラのデータに対応する」と説明し、「中小規模企業のツボにピッタリはまる」とした。Networkerとは相互補完でき、Networkerの管理コンソールでレトロスペクトを管理することもできると説明した。
レトロスペクトの特徴は専任のストレージ管理者でもなくてもバックアップ/リカバリの操作ができる使いやすさ。バックアップからリストアまですべてをウィザードで操作できる。バックアップできるのはローカルのデータのほかにネットワークでつながったクライアントPC、ネットワーク共有ボリューム。ファイル、フォルダ単位、コンピュータ全体などバックアップの対象も選べる。
バックアップソフトウェアは通常、データのフルデータと差分、増分データを別々に取得する。そのためバックアップ作業が複雑になることがある。しかし、レトロスペクトの「プログレッシブ・バックアップ」機能では、バックアップ前にディスクをスキャンしてディスクイメージを作成。過去のディスクイメージと最新のディスクイメージを比較して、必要なデータだけをバックアップする。例えば、同じデータが複数のPCに保存されていても、バックアップされるデータは1つだけになる。プログレッシブ・バックアップを利用することで、作業が単純になり、用意する記憶媒体を少なくすることもできる。また、リストアでは過去のバージョンごとに復元するのではなく、最新のデータだけを復元することが可能。余分なファイル、フォルダは復元されないという。
レトロスペクトはWindows 2000 Server、Windows Server 2003などサーバ製品のほかに、Windows XP、Windows 2000 Professionalなどで稼働する。バックアップ対象はWindowsのサーバOS、クライアントOSのほかに、Mac OS 7.1以降、Mac OS X 10.1以降、Red Hat Linux、SUSE LINUX、Solarisをサポートする。バックアップ対象の台数制限がない「Multi Server」は19万8450円から。1台のサーバに加えて、ネットワーク上のクライアントを台数制限なくバックアップできる「Single Server」が9万3450円などとなっている。アクト・ツー、報映産業が販売する。
レトロスペクトの競合製品として挙げられるのは、コンピュータ・アソシエイツの「ARCserve」やベリタスソフトウェアの「Backup Exec」。この2製品は国内市場で高いシェアを持つが、EMC Dantz 中小企業ビジネス・ソフトウェア テクニカル・サポート・エンジニアのネイト・ウォーカー(Nate Walker)氏は、「使いやすさではレトロスペクトが上」と述べ、拡販に自信を見せた。
(@IT 垣内郁栄)
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